東京・永田町の自民党本部ビル。岸田文雄政権の誕生以降、ビル内部の「人流」に大きな変化があったという。その変化を読み解いていくと、岸田政権の権力構造が浮かび上がってくる東京・永田町の自民党本部ビル。岸田文雄政権の誕生以降、ビル内部の「人流」に大きな変化があったという。その変化を読み解いていくと、岸田政権の権力構造が浮かび上がってくる Photo:PIXTA

 東京・永田町にある自民党本部は来年度予算編成の時期が近づき来客が絶えない。例年なら陳情客とおぼしき人たちは党本部4階に向かう。総裁、副総裁、幹事長、幹事長代行、選対委員長の各部屋が集まるからだ。6階には政調会長室と総務会長室が廊下の両端にあり、ここにも陳情客が吸い込まれていく。

 ところが岸田文雄政権が誕生してからはこれまでになかった「人流」が生まれた。5階に多くの陳情客が向かうのだ。5階には中央政治大学院や国際局、拉致問題対策など特化された政策を担当する本部長の部屋が並ぶ。地味な裏方といってもいい。ところが今や5階に人が溢れる毎日が続く。その人たちの行き先は相撲部屋かと思えるような墨痕鮮やかな大きな木の看板が掛けられている部屋だ。