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家を買うときに「繰り上げ返済すればいい」「退職金を充てればいい」と考えて、定年退職後に完済予定となるローンの組み方をする人は少なくありません。しかし、年金生活に入ってからも返済しなくてはいけないローンには注意が必要です。(家計再生コンサルタント 横山光昭)

住宅ローンの返済が予定通り終わらない

 老後の生活を考えた時、「住まい」が問題になる方が比較的多くいらっしゃると感じています。問題の多くは、住宅ローンの返済が終わらない、長引いているということなのですが、その原因は「繰り上げ返済が思うようにできなかった」「住み替えをしたら計画が狂った」などが多いようです。

 住宅ローンを組む時は、定年後に完済予定となる予定を立てても、「繰り上げ返済をすれば、きっと退職するころには完済できるはず」「いざとなれば退職金で返せばいい」などと考えがちなもの。住宅販売の場面で、そういったアドバイスを受けることもあるようです。

 しかし、定年が見えてきた時に見直すと、繰り上げ返済も退職金からの返済も難しく、当初の予定通りに70歳、80歳ごろに完済の見込み。そうする予定ではなかったのに、老後資金作りと住宅ローンの返済の両方に取り組むのは難しく、結果的に返済のスピードアップが難しくなってしまうのです。

 老後資金が返済分を含めて作ることができた、または完済する年齢までの収入が見込めるという場合は返済可能な場合も多いのですが、このような対策を講じないままに年金生活に入ると、住宅ローン返済負担の重さに、家計が立ち行かなくなってしまうのです。