『和田裕美の営業手帳2022』(以下、『和田手帳』)は、発売から17年目を迎えるロングセラー手帳。5年10年とリピートする愛用者は、「目標を次々達成できる」「日々の暮らしが楽しく豊かになる」などの効果を実感し、歴代の『和田手帳』を大切に保管しているといいます。
いまや、スケジュールはクラウドで一括管理する時代に、なぜ紙の手帳にこだわるのでしょうか。著者の和田裕美さんと、『和田手帳』のご愛用者、2022年から『和田手帳』を使う新規ユーザーの方々が座談会を行い、その理由を探ります。(構成・聞き手:両角晴香、ダイヤモンド社書籍編集局)

[座談会参加者プロフィール]
名良橋誠さん
会社員。賃貸物件の大規模修繕をメインとするリフォーム会社の営業マン。営業の成績不振に悩み2017年から『和田手帳』を愛用するようになった。

佐々裕子さん
会社員。外資系航空会社に勤務していたが、心機一転2020年に転職。現在は運輸業の総務経理担当者として働く。11年から『和田手帳』を愛用している。

佐藤真実さん
自営業。東京で会社員として働き、2年半前から広島県でファスティングとダイエットのサポートと発酵食品教室を運営している。2022年から『和田手帳』を使う。

六角明雄さん
経営者。地方銀行を経て、2009年経営コンサルトとして独立。14年に和田氏に初対面し、ラジオ「WADA CAFE」を通して『和田手帳』の存在を知る。22年から『和田手帳』を使う。
私が忘れても、手帳が覚えている。一生手元に残る宝物を身につけよう和田裕美(わだ・ひろみ)
京都生まれ。ファンづくりセールスの専門家・作家、株式会社HIROWA代表、京都光華女子大学キャリア形成学科客員教授。熊野本宮大社参与。営業力・コミュニケーション力・モチベーションアップのための講演・コンサルティングを国内外で展開している。販売累計220万部超の著書に『世界No.2セールスウーマンの「売れる営業」に変わる本』『稼げる技術』『和田裕美の営業手帳』(以上、ダイヤモンド社)、『人の心を動かす話し方』(廣済堂出版)、『人生を好転させる「新・陽転思考」』(以上、ポプラ社)などがある。外資系教育会社でのフルコミッション営業時代、世界142ヵ国中2位の成績を残し、その後、女性初、最年少の支社長となった実績がある。また、独自の理論を活用して、NHK-Eテレ「芸人先生」や関西テレビ「イチ推しカンパニー SP」に出演、多岐にわたる活動を展開中(毎日配信、登録無料「ワダビジョン」@wadahiromi和田裕美ブログ)。

「書く」と記憶力と発想力が高まる

──スマホでスケジュール管理できる時代に、あえて紙の手帳を使うメリットは何だと思われますか。

佐々裕子さん(以下、佐々) 私は、デジタルで入力したことを忘れやすいので「書く」と記憶に残ります。手帳の手触りや文字の感じを記憶していて、後で見返したいときに鮮明に記憶が蘇りますね。これって紙の手帳ならではの魅力だと思います。

和田裕美さん(以下、和田) 「書く」という行為には、記憶力や発想力を高めてくれる効果があります。

六角明雄さん(以下、六角) 紙の手帳を使うメリットは「行動・目標管理」できることです。「行動・目標管理」は紙に落とし込まないとなかなかできませんよね。日程管理はGoogleカレンダーでしています。スマホで手軽に入力できますので。

佐藤真実さん(以下、佐藤) 私も断然、紙派です。以前は、『7つの習慣』で有名なフランクリン・コヴィーさんの手帳を愛用していましたが、私は「書く」のに加えて「言葉」が大好き。和田語録が詰まった『和田手帳』に惹かれました。落ち込んだときに、手帳を開いて、必要とする言葉を探すだろうなって。

和田 ぜひ、『和田手帳』と仲良くなってください。手帳は肌身離さず持つものですから、生活の一部になりますよ。

名良橋誠さん(以下、名良橋) 紙の手帳の良いところは、未確定な予定もメモできるところだと思います。会社では「LINE WORKS(ラインワークス)」を使ってスケジュールを一括管理しているのですが、社員に共有することを前提としたスケジュール帳は、決定事項しか入力できないんです。その点、紙の手帳は自由度の高さが魅力ですよね。日記、TODOリスト、陽転思考の「よかった探し」など、いつでもどこでも書き留められます。

佐藤 それと、紙の手帳はスマホの電池が切れても見られます。

──『和田手帳』には、万一に備えて電話番号を控えておく欄を設けています。スマホが使えなくても、大切な方の連絡先を把握できるようにしているんですね。

私が忘れても、手帳が覚えている。

和田 手帳は、私の分身です。『和田手帳』の過去16年分の手帳を見れば、いつ誰と何をして、どんな本に感銘を受けたのかなど、すべて手帳に書いてあります。ところが、Googleカレンダーのようなデジタルだと、後から見返したときに、自分がそこに存在していた感覚にならないんですよ。

佐々 私も2011年から保管してる『和田手帳』を見返すときに、手帳の後ろのページにある「元気が出る言葉集」を見ると和田さんの言葉で気になった箇所に線が引っ張ってあるんですよね。そうだ、あのとき和田さんのたくさんの言葉に支えられ励まされてきたんだよね、と。とてもありがたい存在です。

和田 あるときは字が乱れていたり、何度も消した跡があったり、ページがしわくちゃになっていたり。手帳を見れば心の揺れも見て取れます。何も書いてない白紙のページすら、語りかけてくるんですよ。「何も書けないほど悩んでいたよね」って。

──以前、和田さんは「手帳が人生のバイブルになる」と表現されていましたね。

和田 手帳がなかったら、私は違う人生を歩んでいたかもしれません。1990年代、ブリタニカに勤めていたときに使っていた手帳も保管していまして、本を執筆した際、バイブルになってくれたんです。当時、上司からもらった言葉や、ミーティングの内容とか、部下との出来事とか、すべてこと細かくメモしてある。手帳はバイブルであり、ネタ帳ですね。

 手帳は肌身離さず持ち歩いて、気になるフレーズがあれば、その場で書き留めるようにしてください。でないと、すぐ忘れちゃう(笑)。書きさえすれば、本人が忘れても手帳がずっと覚えていてくれます。

たっぷり書けるのにコンパクト

──肌身離さず持ち歩くためには、手帳のサイズ感が重要です。

佐藤 『和田手帳』はメモスペースがあるのに、サイズはスリムな印象です。

和田 サイズは『ブリタニカ手帳』からヒントを得ています。『和田手帳』より一回り大きかったので上下を約2センチカットして、A5判変型という少し縦長のサイズに作り直しました。女性のバッグにすっぽり入るサイズなんです。

佐藤・佐々 うんうん、なるほど(深くうなずく)。

私が忘れても、手帳が覚えている。一生手元に残る宝物を身につけよう座談会に参加してくださった皆さん(右から、佐藤真実さん、六角明雄さん、佐々裕子さん。名良橋誠さんは紙面でのご参加となりました)

和田 会議に参加する際、スーツのポケットに入るようなミニ手帳だとメモしきれないし、A5サイズだと「大きすぎて、ノートでいいじゃん」ってなる。『和田手帳』は手になじむちょうど良いサイズにこだわりました。

──A4の請求書などを三つ折りにして手帳に挟める点も好評をいただいています。

佐藤 サイズも重要ですが、紙質も重要です。私はフリクションボールを使うので、ほどよく厚みがあると嬉しい。『和田手帳』の紙はしっかりしているし、文字が裏に透けないのも理想的です。

コロナで先行き不透明……。
そんなときこそ手帳を開いて

──コロナ禍で私たちの生活は激変しました。そんななか、『和田手帳』をどのように役立てておられますか?

名良橋 自粛生活で自宅にこもっていると、ついテレビや映画を観たりゲームをしてしまいます。そんなときこそ、電子機器から離れて、『和田手帳』と向き合うようにしていますね。『和田手帳』を通して、過去の出来事を振り返ったり、予定を見直したりして、「未来の夢を目標に変える」んです。テレビやゲームにはない醍醐味が『和田手帳』にはあります。

佐々 私は、2020年に転職したんです。前職があまりに忙しく、日々の生活を振り返る時間が持てなかったこともありました。転職し心機一転、環境が変わったこともあり以前から気になっていた和田さんのオンラインサロン『パワースクール』に今年の1月下旬から入会しました。講義で気に入った言葉や受講者さんの意見など、元気をいただいた言葉を、手帳に書き留めるようにしています。

──最後に和田さんから、これから『和田手帳』を使うというすべての方へメッセージをお願いします。

和田 ここまで、いろんなお話をしてきましたが、手帳を長く続けるコツは一つです。それは、「自分の好きなように使う」こと。キレイな字を書こうとか、良いことを書こうとかあまりこだわると、手帳を書くのが億劫になります。また、手帳が書けなかったときは落ち込まず「来週からまた書こう」と切り替えてもらえれば大丈夫。お葬式とか突然のアクシデントに見舞われれば、予定はどうしたって崩れちゃいますから。

 目標に対して思うような結果が出なかったとしても引きずらないでほしいです。もちろん行動目標を立てて結果を出し続けることは大切ですが、ノルマが達成できなくても、翌週、また翌週とチャンスは巡ってきます。

 何よりも大切なのは、自分が気づいたことや感じたことを手帳に書きとめて、自分の足跡を残すことです。ぜひ、楽しみながら手帳と向き合っていただければと思います。

(終わり)