診察した獣医師は「うちでは正確な診断が難しい」と率直に言い、がん治療で有名な別の病院を紹介してくれた。そこでさくらちゃんは外科手術を受け、今のところ経過は良い。「本当に治るのかどうか、まだ分かりません。でも、“諦める一択”というのは、到底納得ができなかった」と吉野さんは言う。

 全国の動物病院の数は2020年時点で1万2247院。10年前に比べて16%増えており、特に首都圏での伸びが大きい。この間、家庭で飼われる犬・猫の数は減っているから、1頭当たりの病院の選択肢は豊かになっているといえる。

 ただ、選択肢が増えたが故に、「どの病院をかかりつけ医に選べばよいのか」というのも飼い主の悩みだ。

 そもそも人間の病院が内科や耳鼻科など専門科に分かれているのとは異なり、地域の動物病院は全ての科目を診察するのが一般的だ。

 科目ばかりか、犬も猫もそれ以外の動物も受け付けている病院が多い。オールマイティーな獣医師がそうそう存在するとは考えにくく、「先生の診察や治療は本当に的確なのか」と飼い主が疑問を持つことがあっても決しておかしくはない。

 では飼い主は、どういう基準でかかりつけ医を選べばよいのだろうか。ダイヤモンド編集部は複数の獣医師に取材をし、信頼できるかかりつけ医の選び方を聞いた。ポイントは大きく分けて5つある。