FRBのテーパリング開始で
注目される日銀の出口戦略
米連邦準備制度理事会(FRB)が11月からのテーパリング(量的緩和縮小)開始を決めたことで、日本銀行の金融政策正常化の「出口」戦略に改めて関心が集まる。
だが日銀は、イールドカーブ・コントロール(YCC)導入以降、量的な資金供給の増加目標はやめる一方で、ゼロ金利制約のもとでの緩和手段を得るなど、すでに政策の自由度を確保するための仕掛けを作っている。
「出口」に無理に向かう必要がなくなっているのが、実情だ。
YCC導入以降
緩和の枠組みが“進化”
日銀は、2016年9月に「長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)付き量的・質的金融緩和」を導入して以降、3つの大きな金融緩和の強化を行ってきた。
まずイールドカーブ・コントロールの導入は、「金融緩和強化のための新しい枠組み」(以下、「新しい枠組み」)と称する政策パッケージの一つだった。