親世代よりも重視される
ビジネスモデルへの理解
一方で、自己PRや応募書類においては、対面であろうとオンラインであろうと基本は変わらない。「冒頭に結論を言うことが肝要」(福重氏)だ。担当者が学生を次の選考へと進める時、「なぜその学生なのか」を次の面接官へ伝えるが、その理由に相当する内容がPRの冒頭で端的に述べられていれば、担当者も伝えやすい。
親世代との違いで意外に盲点なのが、ビジネスモデルの理解だと福重氏は言う。以前なら「人物本位」「うちに合いそう」と採用されていた人でも、「いい人だが、うちの仕事に対する理解が足りず、入社後ついてこられそうにない」と落とされるケースが増えているという。ビジネスモデルが複雑化、高度化しているため、企業の儲けのしくみをよく理解することが不可欠となっている。
ネットで情報は得やすくなったが、情報誌でふと目が止まる、説明会で企業側から声をかけられるといった、業界や企業と偶発的に出会う機会は減った。そのため、家族や友人、先生、先輩など、できるだけ多様な人の話を聞くことが重要だと福重氏は説く。
実は変わらないこともある。厚労省「新規学卒者の離職状況」によると、バブル期から現在まで、入社後3年までの大卒者の離職率は3割前後と変わらない。「今時の若者は」とは言えないのだ。