経済大国に符号しない地位
12月5日、米経済誌「フォーブス」が「世界で最も影響力のある人物」の番付を発表した。
オバマ米大統領が2年連続で1位に輝いた。2位はドイツのメルケル首相、3位はロシアのプーチン大統領で、中国の次期リーダーである習近平氏が9位、李克強氏が13位に入った。我が祖国、日本のリーダー野田佳彦首相は60位だった。
昨今の世界は、まさに「乱世」と呼ぶのにふさわしい。国際政治学者のイアン・ブレマー氏は、その状況を「Gゼロ」と呼んでいる。G2でも、G7でも、G20でも、そしてG1でもない。
Gゼロ世界の核心は、グローバルリーダーの不在にある。ただ、この状況がいつまでも続くわけではないという意味で、新たな世界システムへの過渡期なのだ。グローバル世界を引っ張る国家の存在に事欠くGゼロ世界において、各主権国家のなかに生きる市民たちが逆に強いリーダーを求めている現状は興味深い。
野田首相の60位という結果から、米中などに比べて、日本のリーダーは影が薄い存在であると見られても仕方がないし、世界第三の経済大国に符合しない地位にある現状は否定できない。
中途半端なニッポンの実力
今、日本にいる皆さんは総選挙ムードに浸っていることと察する。
多くの知人、とりわけ20代の同世代は、「今回ほど、どの党に入れていいか分からない選挙はない」という困惑した心境を私に語る。
ある後輩(男性)は、「民主党はここ数年、党の体制もボロボロで入れる気にならないですし、自民党は言っていることが極端すぎて入れるのが怖いです。他はよく分かりません」と話してくれた。
そんな日本の状況をどう思うか、ハーバード大学に留学している中国人学生(女性)に質問してみた。すると彼女は、若干皮肉っぽい口調でこう答えてくれた。
「首相が毎年変わるなんて羨ましい限りですね。中国は10年に一回だから」
それから、少し真面目に、睨むような表情で、こう続けた。