コロナ禍の影響をほとんど受けず、業績好調な損害保険業界。ここ数年の大規模災害で赤字が続いている火災保険も、保険料の値上げによって収支改善への道筋をつけた。だが22年はそんな平穏な21年と打って変わって、コスト削減圧力が高まる年となりそうだ。特集『総予測2022』の本稿では、損害保険業界の22年を予測する。(ダイヤモンド編集部 片田江康男)
コロナ禍でも業績堅調な損保業界
22年はコスト削減圧力が高まる
損害保険業界は、2020年初頭から始まったコロナ禍の影響をほとんど受けなかった。各社が提供している事業者向けの保険商品は、感染症が原因の損失については補償の対象外。巨額の保険金を支払うことはなかったからだ。
さらに21年は大型台風の上陸による大規模な洪水など、災害が少なかった。そのため業績は堅調に推移。11月に発表された21年度通期業績は、大手4社そろって上方修正した。
だが、22年もそんな平穏な年を過ごせるとは限らない。コスト削減圧力が、21年よりも格段に上がることになるからだ。
ではなぜ損保各社にコスト削減圧力が高まるのか。以降で詳しく見ていこう。