経営戦略、事業戦略を
フレームワークで捉える

 コンサルタントが使うフレームワークをいくつか紹介します。

 経営戦略の定石に「3S」があります。3Sとは「サ行」の語呂合わせで「選択-差別化-集中」です。勝ちを取りにいく領域を選択し、他社と差別化を考え、経営資源を集中してナンバーワンをめざします。ナンバーワン戦略には3つのフレームワークがあります。「商品ナンバーワン」「顧客ナンバーワン」「地域ナンバーワン」です。

 孫子の兵法では、小が大に勝つ3つの戦法があります。「局所優位主義」「少数精鋭」「奇襲戦法」の3つです。現代の戦略でも、孫子の兵法は使われています。

 戦略分析では、「SWOT分析」が用いられます。「S・W・O・T」がフレームワークで、「強み・弱み・機会・脅威」=「Strengths・Weaknesses・Opportunities・Threats」の4つの切り口になります。

コマツ、キヤノンの
企業戦略フレームワーク

 戦略をフレームワークにしている会社の例を紹介します。

 建設重機のコマツは、「3つのダントツ」を戦略方針にしています。「ダントツ商品」「ダントツサービス」「ダントツソリューション」です。ダントツ商品として、鉱山用の巨大重機や無人運転車など、他社と圧倒的に差別化できる商品を提供しています。ダントツサービスは、GPSとインターネットを使ったサービスです。盗難防止(追跡機能とエンジン停止機能搭載)、予防メンテナンス(機器の状態監視機能搭載)、ローン未払い対策(未払い時のエンジン停止機能搭載)を遠隔操作できます。

 ダントツソリューションは顧客が気づいていない需要を発見し、顧客の問題を解決します。具体的には、鉱山トラックの24時間無人運転です。トラック運転手のコスト削減は、顧客に多大なコストダウンを提供しつつ、重機の販売後も高額の運用費を回収できます。