レーシングカーに必要不可欠な軽量化についても抜かりなく、インテリアを軽量なレーシングタイプに変更したほか、ウィンドウスクリーンはより薄型のものに、ホイールはマグネシウム製に置き換えることで、ウラカン・ペルフォルマンテより43kgも軽い1339kgの乾燥重量を実現した。
ブレーキシステムもCCM-Rと呼ばれる専用品。F1用ブレーキシステムのテクノロジーを受け継いだCCM-Rは制動能力が従来品に比べて25%高く、減速Gを7%向上させることに役立つという。さらに熱耐性が60%も高いので、より過酷な条件でも安定した制動力が得られる。また、このCCM-Rの能力を最大限に発揮させるため、ブレーキの冷却系統も大幅に設計し直された。
もっとも、ウラカンSTOのドライバーズシートに腰掛けた際の印象は、従来のウラカンと大きく変わらない。シートにはリクライニング機構が組み込まれているほか、クッションも十分に厚いので、一般公道を走るのも苦にならないだろう。
ただし、後方を振り返ると、その印象は一変する。なにしろ、X字状に組まれた極太のロールケージがドライバーの直後に装備されているうえ、リアウィンドウに相当する部分はルーバーで覆われているので、ルームミラー越しに後方を確認するのは不可能。したがって、最新のレーシングカーでは常識となっているリアビューカメラがなければ、公道を走るのは難しいだろう。