一冊の「お金」の本が世界的に注目を集めている。『The Psychology of Money(サイコロジー・オブ・マネー)』だ。ウォール・ストリート・ジャーナル紙のコラムニストも務めた金融のプロが、資産形成、経済的自立のために知っておくべきお金の教訓を「人間心理」の側面から教える、これまでにない一冊である。世界43か国で刊行され、世界的ベストセラーとなった本書には、「ここ数年で最高かつ、もっとも独創的なお金の本」と高評価が集まり、Amazon.comでもすでに10000件以上の評価が集まっている。本書の邦訳版『サイコロジー・オブ・マネー 一生お金に困らない「富」のマインドセット』が、12月8日に発売となった。その刊行を記念して、本書の一部を特別に公開する。
最適な投資先は、人によって変わる
金融や投資の判断は、他人の言動や行動に影響されることが多い。しかし、たとえニュース専門放送局CNBCのコメンテーターが「この株を買うべきだ」と言っても、「その人はあなたを知らない」ことを忘れてはいけない。
あなたは初々しい気持ちで株取引を楽しんでいる20代の若者かもしれないし、限られたなけなしの予算で投資をしている高齢者かもしれないし、四半期が終わる前に業績を上げようとしているヘッジファンドのマネージャーかもしれない。
この3人が重視するものは同じだろうか? どのような価格で取引されていたとしても、3人全員にとってその株の購入が正しいといえるだろうか? そんなわけはない。
(本原稿は、モーガン・ハウセル著、児島修訳『サイコロジー・オブ・マネー 一生お金に困らない「富」のマインドセット』からの抜粋です)
ベンチャーキャピタル「コラボレーティブ・ファンド社」のパートナー。投資アドバイスメディア「モトリーフル」、ウォール・ストリート・ジャーナル紙の元コラムニスト。
米国ビジネス編集者・ライター協会Best in Business賞を2度受賞、ニューヨーク・タイムズ紙Sidney賞受賞。妻、2人の子どもとシアトルに在住。