アフタースクールの「ミッション」では、やり方ではなく、○○を教える

 さてアフタースクールでは、教育係がさまざまな「ミッション(任務・課題)」を出し、子供がそれをクリアしていく、という実践的手法で教育が行われます。

 ミッションとは、例えば次のようなものです。

「今からあの公園に行って、そこにいる子供たちと友好的な人間関係を築いてきなさい」
「今からあのカフェの店員さんが笑顔になるようなことをやってきなさい」
「今から1時間以内に、20人の他人と連絡先を交換してきなさい」

 そしてここも大きな特徴ですが、「ミッションは与えて、やり方や答えは決して教えない」のです。

 そうすると子供はミッションをクリアするために、あの手この手を使ってチャレンジをします。

 どうやったらミッションをクリアできるか、創意工夫をする中で、自律思考や自発性、創造性、発想力などが育っていくわけです。

 やり方を一つ一つ教えていては、これらの能力は決して育ちません。

 時には、ミッションが難しくてクリアできなかったり、どうやってクリアすればいいのか分からなかったりする場合もあるので、そんな時は教育係が質問をしたりヒントを出したりします。

「君が誰かと仲良くなりたいなと思う時は、どんな時かな?」
「あそこの店員さんをよく見てみれば、悩んでいることが分かるんじゃない?」
「このミッションをクリアするために、一番難しいのはどこかな?」

 といったように質問をしながら、ミッションをクリアする方法を子供が自ら気づけるように導いてあげるのです。

「答えを教えない」というのは、ミッションを出す時だけでなく、普段の会話の中でも大切なことです。

 例えば蟻の行列を見つけた時に、「蟻ってどこへ行くの?」と子供が聞いてきます。