そこですぐに「巣に帰るんだよ」と答えを教えてしまうと、「ふーん」で終わり、子供の知的好奇心が育ちません。

 答えたくなるのをぐっと我慢して、「いいところに気づいたね! 家に帰って一緒に調べてみようよ」と図鑑やインターネットで調べさせるのです。

 そうすると、蟻は巣に帰るということだけでなく、巣がいくつもの部屋でできていることや、巣の最下層には水を受ける部屋が作ってあり雨の被害を受けづらい構造になっていることなどを知ることができます。

 このようにして子供に自分で考えさせたり調べさせたりすることは、知的好奇心を高めるトレーニングにもなります。

 さて、子供がミッションをクリアしたなら、親はその内容を確認して、よくできたら褒めてあげましょう。

 そして「実は、ここにはこういう原理原則があったんだよ」とミッションを出した背景を説明します。

 子供たちは、自分で創意工夫してチャレンジした過程と、そのミッションの意図を知り、「なるほどそういうことか!」と心から納得しながら原理原則を学ぶことになります。

 このようにして原理原則を叩き込んでいく実践型の教育手法が、ユダヤの家庭内教育の特徴なのです。