昨今話題になりつつある「FIRE」について、さまざまな意見が聞かれる。不労所得というものは、日本の価値観ではいまひとつ受け入れられづらい面もあるが、果たして今後どれほど日本で根付くだろうか。(フリーライター 武藤弘樹)
働かずに生活する
“不労所得推奨”のFIRE
日本国内で「FIRE」という生き方が注目され始めているそうだ。これは「Financial Independence, Retire Early」の略で、生きていくためのお金を資産運用(などの不労所得)で確保して、仕事を早期リタイアする人生設計のことである。アメリカ発祥の手法・考え方らしい。
“不労所得”という言葉を耳にする時、働いてお金を得ている多くの人は憧れと、「そうは言っても自分はちゃんと働いてお金を得ているし」という積極的な自己肯定のような強がりのような、複雑な思いが胸に去来するだろう。
筆者の周囲から察せられる限り、“不労所得”という言葉は日本ではやや複雑な受け入れられ方をしているのが現状である。
しかし、注目のFIREは不労所得の確保がその計画の根幹にある。巷では「20、30代が目標にしている」との言説も見受けられる(「本当にそうか疑わしく、投資関連企業のステマでは?」などという声もある)が、果たして日本でFIREは今後根付くのであろうか。これについて考えてみたい。