平衡感覚を鍛えるには
運動習慣化のポイント

 平衡感覚の低下は、体の健康や認知能力にも影響する可能性がある。では、平衡感覚を維持するにはどんな対処法があるのだろうか。書籍『Life Kinetik(R) 脳が活性化する世界最先端の方法』によると、運動をすることで体に負荷がかかり、平衡感覚の低下予防につながるという。

 確かに、仕事がデキるビジネスパーソンは運動を習慣にしている人が少なくない。仕事で蓄積したストレス解消や肥満防止など、運動の目的は人によるだろう。もちろん、趣味として楽しむためにスポーツをしている人もいる。

 運動をすると、平衡感覚を鍛えるだけでなく筋力も鍛えられるメリットがある。いくら平衡感覚が正常でも、筋力が低下してしまうと体の動きを支えることができない。そして筋力は平衡感覚と同様に、加齢に伴い低下していく。平衡感覚と筋力を同時に鍛えられる運動は、ぜひとも取り入れたい習慣なのである。

 バランストレーニングがバランス能力を向上させることは、複数の研究からも明らかになっている。特にバランスボールは、バランスを取る力と筋力アップの両方を叶えるトレーニングだ。体幹を鍛える効果が高いとされており、プロのアスリートもトレーニングで積極的に取り入れている。体のコアである体幹を鍛えると、体がバランスを失ったときでも安定した状態に戻しやすくなるからだ(参考:厚生労働省「e-ヘルスネット」バランス運動の効果と実際)。

 体の安定には平衡感覚の維持が欠かせないが、加齢や運動不足によって平衡感覚は低下する。体のふらつきや年齢が気になるようになってきたら、運動を習慣化し体の変化を楽しんでほしい。バランスボールは自宅でも簡単にできる運動で、運動初心者でも始めやすくお勧めだ。デスクワークなどで仕事中は体を動かすことができないぶん、プライベートの時間をトレーニングに充ててみてはいかがだろう。

【参考書籍】

『Life Kinetik(R) 脳が活性化する世界最先端の方法』(ホルスト・ルッツ著、ダイヤモンド社)