能率が上がるのは朝か、夜か?仕事の成否を左右する「体内時計」の仕組みクマ、ライオン、オオカミ、イルカ……あなたの「体内時計」はどのタイプ?(写真はイメージです) Photo:PIXTA

スポーツが趣味のビジネスパーソンにとって、日々のトレーニングは欠かせない。朝のランニング、仕事終わりのフィットネスやゴルフの打ちっぱなしは充実した時間になる。趣味とはいえ、自己記録更新や大会を目指して努力する人も多いはず。仕事と運動の両立には、時間の使い方に工夫が必要だ。ただし、時間当たりの成果を最適化するためには、トレーニングの内容だけでなく、どの時間帯にトレーニングをするかも重要となる。キーワードとなるのは「サーカディアン・リズム」。書籍『シリコンバレー式超ライフハック』(デイヴ・アスプリー著、ダイヤモンド社)を参考に、サーカディアン・リズムが導く傾向を紐解いていこう。(文/鈴木 舞)

サーカディアン・リズムと
4つのクロノタイプとは

 サーカディアン・リズムは「概日リズム」とも呼ばれており、地球の自転によって24時間周期で刻まれる体内時計を指す。サーカディアン・リズムは人間だけではなく、地球上の生物が持っている機能だ。哺乳類の体内時計は、脳の視床下部にある視交叉上核に存在することがわかっている。人間のサーカディアン・リズムは24時間でなく、1時間多い25時間であることも解明された。

 書籍『シリコンバレー式超ライフハック』(デイヴ・アスプリー著、ダイヤモンド社)では、アメリカでスリーブドクターとして活躍するマイケル・ブルース博士による説を紹介。ブルース博士は、多くの不眠症患者に対応してきた臨床心理士だ。

 1998年、ある研究結果が「mPer3遺伝子」(哺乳類時計遺伝子)の発現段階で、サーカディアン・リズムを刻んでいることを発見した。ブルース博士はこの研究とこれまで診てきた不眠症患者の症状を通じ、人間のサーカディアン・リズムは1種類ではないと考えた。人間には生まれつきのサーカディアン・リズムの傾向があり、4つの「クロノタイプ」に分類できると提唱したのだ。