序盤は番狂わせの可能性も?
ロコ・ソラーレに期待が高まる

 どのチームにとっても、序盤は難しい。氷の状態もまだ把握しきれない。チーム状況も手探りの状態で、完全にでき上がってはいない。そんな中、試行錯誤しながらの対戦は、不安定要素も多く、実力を発揮しきれなかったり、番狂わせが起こったりする場合も少なくない。

 日本にとって手探りの序盤、それは強豪にとっても同じ。考えようによっては、強豪のスウェーデンやカナダがまだすっかりチーム状況を整える前にぶつかれることで、勝利を握るチャンスが高まるのではないか。そういう期待もふくらむ。

 もし日本が序盤、2連勝でスタートできれば、決勝トーナメント進出に向けて優位にリーグ戦を展開できる。1勝1敗でも、十分に歓迎できる滑り出しだ。そしてもし2連敗スタートだとしても、格上チーム相手なのだから、落ち込む必要はない。星の上では苦しいが、第3戦からいわば同格の8カ国との勝負に臨み、着実に白星を積み重ねるまでだ。

 そう言える理由が、この4年間の「成長」にある。

「どん底からはい上がる力が付いてきた」
サード吉田知那美が感じる手応え

 4年前に続いて日本代表の座を射止めたロコ・ソラーレの面々は1月16日、カナダでの合宿中にリモート記者会見を行い、日本の記者たちの質問に答えた。その中で、サードの吉田知那美の次の言葉が印象に残っている。

「4年前と今とで、個人的にも大きく変わったなと思うのは、完璧主義だった私たちがすごく柔軟性を身に付けたこと。打たれた後で大泣きしたり、落ち込んだりすることが多かった私たちが打たれ強くなった。4年前の私たちより、どん底からはい上がる力が付いてきたなと思っています」

 3戦目以降は、デンマーク、ROC(ロシア・オリンピック委員会)、中国、韓国、イギリス、アメリカ、そして最後がスイスだ。前回は1次リーグ首位の韓国が8勝1敗、2位スウェーデンが7勝2敗、3位イギリスは6勝3敗、日本は5勝4敗で4位に入った。

 1位、2位の韓国、スウェーデンに土をつけたのは日本だった。日本は上位2チームと下位3チームに勝ったが中堅4チームに敗れて苦戦を強いられた。そして中国がアメリカ(予選結果は8位)、OAR(ロシアからの五輪選手、同9位)に負けて4勝5敗にとどまったおかげで4位に浮上した。そのような混沌とした戦いが今回も予想される。

スキップだけでなく「サード」も手応えを実感
ロコ・ソラーレはメダルを手にできるか

 カーリングといえば、やはり「最後の最後の一投が勝負を分ける」というイメージがある。