センバツ高校野球で強豪校が落選、選考委員会が苦慮する「言えない事情」とは写真はイメージです Photo:PIXTA

「個人の力が上」?
春のセンバツの選考が物議

「春のセンバツ」の選考委員会で「東海大会ベスト4の大垣日大が選ばれ、準優勝の聖隷クリストファーが選ばれなかった」ことが物議を醸している。

 聖隷クリストファーの落選を疑問視する声が圧倒的に多い。落選の理由が「個人の力が大垣日大の方が上だった」などと説明されたことも、多くの人が「不可解で納得がいかない」と感じた要因だ。

 一方、私がこの選考結果を聞いて真っ先に思い浮かべたのは「全然別の推測」だった。

 過去にも、選ばれるべき順位の学校が見送られた例は少なくない。全てとはいわないが、そのような場合しばしば耳にするのは、表には出ていないが何らかの不祥事や問題行動があったため、という事情だ。

 出場停止などの処罰には相当しないが、晴れの舞台に招待される高校としては適性に欠ける。あるいは、もし選ばれて脚光を浴びたら、にわかに問題視されかねない火種を抱えているといった場合、あえて選ばない判断を選考委員会がすることは、センバツに関してはあり得る。

 秋季大会で出場枠に該当する成績を上げ、選考対象になった高校の監督から「選考委員会で正式に決まるまで、そして大会当日を迎えるまでの心労」を聞かされたことがある。毎日新聞の担当記者からも、選手だけでなく、監督自身の行動、さらには野球部以外の生徒や教師の問題行動がないよう、くぎを刺される。選考委員会までに世間を騒がせるような悪い出来事があれば、当然、選考に影響するからだ。

 支局にも、さまざまな情報が寄せられると聞いた。内部告発、デマも含めて、候補になった高校は「まな板の鯉」の状態。数年前からはSNSを使った暴露や告発も続発しているから、「試合が始まるまで、生きた心地がしなかった」とその監督は深くため息をついた。

 寄せられた不祥事の情報が事実なら、記者が本社に報告し、選考委員会の資料の一部になるだろう。今回もそれに該当するとはいえないが、センバツの選考にはこうした側面があることも認識しておくべきだ。