「生き残るのはどんな企業か」
デジタルネイティブが直観的に分かっている

 今ユーグレナ社は、JAXA(宇宙航空研究開発機構)などが推進する「Space Food X」に研究分野で参画し、微細藻類の大量培養技術を生かした、宇宙での新たな食料資源の開発の研究にも取り組んでいる。

 近年、有人宇宙開発・旅行に関する研究や事業開発が拡大しており、リソースが限られる宇宙において高効率に食料を自給する要求が高まりつつある。

 微細藻類はタンパク質や各種栄養素の生産に優れた生産効率を誇ることから、宇宙における理想的な食料資源になり得ると期待されているのだ。

「Space Food X」の発表会では、ユーグレナを利用した培養肉のステーキや藻類のスープなど、ユーグレナ宇宙食のバリエーションが披露されている。同社の研究事業範囲は、すでに地球という狭い枠組みを超え、宇宙に向けて広がり始めているのだ。

 親世代は、子どもたちの進路選択に対して、どのような助言をすべきなのか。バイオテクノロジー分野の先端を走る出雲氏は、こんなアドバイスを親世代に送る。

「科学技術の進化のスピードがかつてないほど速いため、人類史上初めてといえるくらいの世代間の深いギャップが生まれていると思います。若い世代はデジタルネイティブで、将来生き残るのはどのような企業なのかを、直感的に分かっています。そのことを両親に合理的に説明できなくても、若い世代の選択が間違っているわけではありません。親世代にできることは、埋めようのないギャップがある事実を認識し、若い世代の直感と選択を信じてあげることなのです」