コロナ禍で家を買う人が増えたが、売れているときにはババをつかみやすく、売れていないときのほうがお得な買い物ができる。あまり知られていない戸建ての資産価値の法則を伝授しよう。(スタイルアクト(株)代表取締役/不動産コンサルタント 沖 有人)
コロナ特需で戸建て市場は好調
損をしない「資産価値の法則」とは
コロナ禍で家を買う人は増えた。在宅時間が長くなり、休日のレジャーなどの外出が控えられ、唯一と言っていいほどの家族サービスは家探しになった。分譲戸建ては在庫が足らなくなるほど売れ、住宅展示場で注文住宅を検討する人も急増した。こうして戸建てはコロナ特需の恩恵を受けて販売好調となり、中古戸建てや土地の価格は高騰を始めた。
しかし、売れているときはババもつかみやすく、売れていないときのほうがお得な買い物ができるものだ。あまり知られていない戸建ての資産価値の法則を知っておいたほうがいい。
少子高齢化社会では戸建て・土地の在庫は常に余り気味となる。なぜなら、少子のために戸建てに住みたいファミリー層は減るし、高齢化で相続の際に持ち家を手放す人は多くなる一方だからだ。既に、出生人口が死亡人口を下回ってから10年以上経過している。もう戸建てや土地価格はその需給バランス上、値上がりするとは私も思っていなかったほどだ。
新築分譲戸建てを例に考えてみよう。分譲マンションが70平方メートルの3LDKが多いのに対して、分譲戸建ては100平方メートルの4LDKが主力商品となる。この面積帯は判を押したように一様で130平方メートルの物件を探すのは困難を極める。ほとんどが100平方メートルだから、建物価格はどの場所に建とうが原価はほぼ変わらない。そうなると、立地で物件価格と資産価値が決まる。
その立地は駅から近いに越したことはないが、マンションが利便性を求めるのに対して、戸建ては多少離れている物件も多い。その際の立地の選び方の極意を不動産屋に聞いたら、いろんな答えが返ってきた。前面道路の幅や、接道面の向きが南か否か、周辺環境や駅までのアプローチやスーパーの近さなど、千差万別だったのでそれを検証してみた。