駅や踏切に「青いライト」を設置する――。自殺防止のため、山手線に設置したのが有名ですが、「青いライト」の影響で平均して84%自殺者が減少したというデータを東京大学が報告しました。「たかだか色だろ」と思われますが、実は私たちの生活に影響を及ぼし、健康にも密接に関係することが科学的にも証明されているのです。今回は日本ユニバーサルカラー協会代表理事・南涼子さんの新刊『一瞬で心が整う「色」の心理学』(青春出版社)から、メンタルを整えるための科学的な色の使い方を抜粋して紹介します。
メンタルは見た色でできている
普段、服やインテリアなどの色を意識するのは、おしゃれのためかもしれません。しかし、色には想像以上に人を動かす力があります。
「人間は、色に支配されている」――そういってもいいほどです。
なぜかというと、人が受け取る情報の約87%は「視覚」で占められており、目にするものには必ず何かしらの色があります。さらに、赤・青・白など、それぞれの色には、視覚以外の感覚、「聴覚」「嗅覚」「触覚」「味覚」を左右するさまざまな刺激があるためです。
例えば「料理は目で味わう」といわれている味覚や嗅覚がそうです。
「熱い」「冷たい」などの温度感覚では、赤いカップでコーヒーを提供されると、より温かく感じられることも明らかになっています。