ジョブ型雇用の米国企業は、学歴で年収が何倍も違う知的階級社会だ写真はイメージです Photo:PIXTA

日本の昔ながらの雇用制度は崩壊し、アメリカ型のジョブ型雇用がついに日本でも始まる。弁護士で国際経営コンサルタントの植田統氏の新著『2040年「仕事とキャリア」年表』からの抜粋で、日本でも今後浸透していくであろうジョブ型雇用とはどういったシステムかを解説していく。前回に続き、アメリカ企業のジョブ型雇用に厳然と存在するヒエラルキーの実態について解説する。

学歴によって
地位も処遇も大きく変わる

 アメリカのジョブ型雇用では、会社に上級職員で入るか、中級職員で入るか、現場労働者として入るかにより、給与も大きく違ってきます。

 中級職員、現場労働者は、かなり狭いレンジの地位と報酬しか与えられませんが、上級職員の中では、どのレベルで入るかにより、地位も処遇も大きく変わります。

 そして、その入り口の処遇は、学歴、資格等の教育によって決められています。

 たとえば、私が勤務していた経営コンサルティング業界では、大学卒でもコンサルタントの中で一番下のリサーチャーという職務に就くことはできるのですが、その上のアソシエイトにはMBA卒でないと原則的に就くことはできませんでした。高給取りで有名な投資銀行でも、大学卒はアナリスト、MBAはアソシエイトというのが原則でした。