利用者数が億を超す「メガプラットフォーマー」への視線が厳しくなっている。プラットフォームを活用して稼ぐ利用者も増える一方で、悪用されるケースも後を絶たない。世界で20億人以上が視聴する米動画大手「ユーチューブ」はどうやって場の健全性を保っているのか。特集『ポストコロナの新世界』の#14では、米ユーチューブのナンバーツーであるニール・モーハンCPO(Chief Product Officer、最高製品責任者)を直撃し、誤情報への対策や低評価数を非公開にした理由を聞いた。(聞き手・ダイヤモンド編集部副編集長 大矢博之)
最優先事項はプラットフォームの健全性の保護
オープンプラットフォームの力を信じている
――ユーチューブの成長に伴い影響力が増しています。どのような方針で運用しているのですか。
われわれには3つの使命があります。一つ目は世界で20億人以上のユーチューブのユーザーに、最高の体験を提供すること。二つ目はユーチューブで収益を得る何百万人ものクリエイターのビジネスを支えること。三つ目はオープンなプラットフォームとしての場を担保することです。
われわれが信じているのはオープンプラットフォームのパワー。オープンだからこそ、世界中の視聴者とクリエイターやアーティストをつなぐことができるのです。
日本の月間利用者数(18歳以上)は、2021年5月に6900万人を超えました。そして日本のクリエイターであっても、世界を舞台に自らのブランドの構築やインフルエンサーになることができ、収益を得られます。まさにクリエイティブエコノミーです。
オープンなプラットフォームの提供者には、もちろん責任がついて回ります。開かれた場を守るためには、きちんとしたゲートキーパー(門番)が必要です。
ユーチューブを悪用しようとする“悪人”から、何十億人ものユーザーやクリエイターをどう守るのか。こうした健全なプラットフォームの保護は、過去4~5年のユーチューブの最優先事項でした。
ユーチューブ上のほとんどのコンテンツやクリエイターは素晴らしい。有害なものは1%以下しかありません。それを排除するために日々努力をしています。
――プラットフォームの健全性を守るための施策は。