日本の人口は今、何人くらいか、君は知っているかな。2010年の国勢調査を見てみるとだいたい1億2806万人。でも、この人口はこれからどんどん減ってしまうんだって。

国立社会保障・人口問題研究所では、将来の人口について3つの見方で予測を立てている。このうち、「中位推計」――出生や死亡の見込みが中程度と仮定した場合の予測――を見てみると、2030年には1億1522万人、さらに2060年には8674万人となっている。これは、第二次世界大戦直後の人口とほぼ同じ規模だ。

どんどん人口が減り、縮んでいく日本の社会。いったい私たちの行く手には何が待ち受けているんだろう?

――この連載では、高齢になった未来の私たちのため、そしてこれからの時代を担うことになる子どもたちのために、日本の将来をいろいろな角度から考察していきます。子どものいる読者の方もそうでない方も、ぜひ一緒に考えてみてください。

みずほ情報総研
藤森克彦先生の話
※この記事は、藤森氏の話を参考に執筆者が記事を構成、編集しています

2030年、「貧困男子」が社会問題に!?<br />“ひとり暮らし”急増で貧困リスクが上がる理由ふじもり・かつひこ
みずほ情報総研 社会保障 藤森クラスター 主席研究員。専門分野は社会保障(年金・医療・介護・少子化対策など)、マニフェスト、雇用政策。 英国に1996~2000年まで滞在。ブレア政権の政策研究を行なった経験を生かして、「マニフェスト」の導入など日本の政治・行政改革についても研究。新聞・雑誌等への執筆・コメント、講演多数。「NHK日曜討論」などテレビ番組にも出演。おもな著書に『単身急増社会の衝撃』(日本経済新聞出版社)、『構造改革ブレア流』(阪急コミュニケーションズ)など

非正規社員の結婚事情は
男女でこんなに違う!

 今、この国では「ひとり暮らし」の人が急増しつつある。今回は「ひとり暮らし」と「貧困」の根深い関係について、考えてみることにしよう。

 ひとり暮らしの人のことを、国の統計では「単身世帯」、あるいは「単独世帯」と呼んだりする。簡単にいえば、同居人のいない世帯のことだね。

 総務省の国勢調査によると、単身世帯の割合は、1970年は5.9%だったのが、2010年には13.1%と2倍以上になった。この勢いで伸びていくと、いったいどうなっちゃうんだろう?国立社会保障・人口問題研究所では、「2030年には15.8%になる」と予測しているよ。つまり、「6人に1人がひとり暮らしという時代」が17年後にはやって来るってことだよね。