以前は、2~3週間前から薬をのみ始めるとされていましたが、現在は薬が改良され、約1週前からでも間に合うようになりました。花粉情報をこまめにチェックし、飛散時期が来る前に診察を受け、症状に応じて処方してもらいましょう。

 スギ花粉は2~4月がシーズンですが、ヒノキは3~5月、イネ科やブタクサなどは初夏から秋と、1年を通じて様々な花粉が飛散しています。スギ花粉の飛散時期以外にも症状が出る場合は、アレルゲンを特定する検査を受けるとよいでしょう。

Q:普段の生活でできる対策は?

 花粉症治療の基本は、できる限り花粉を体内に入れないよう工夫する、セルフケアにあります。薬だけに頼らず、少しでも花粉から身を守りましょう。

 最も有効なのは、マスクやメガネを用いて物理的に花粉が体内に入り込むのを防ぐ方法です。顔にフィットして隙間がないマスクを着用すれば、それだけで花粉を吸い込む量を6分の1まで減らすことができるとも。顔のサイズに合った立体型の花粉症用のマスクを選びましょう。目のかゆみが強い時は、花粉症用のメガネを使うのもおすすめです。

 また、花粉の飛散時期は洗濯物や布団を屋外に干さない、窓を極力開けないようにし、室内への花粉の侵入を防ぎましょう。さらに加湿器を用いて適度な湿度を保てば、粘膜の保護や花粉の舞い上がりを防ぐなどのメリットもあります。規則正しい食事や睡眠を心がけ、免疫力の低下を防ぐことも大切です。

Q:病院ではどんな治療をするの?

 花粉症の治療は、症状を予防・緩和するための対症療法が中心となります。病院では採血してアレルギー検査を行い、原因を特定します。その上で、重症度や症状の出方に合った治療を選択します。治療薬には多くの種類があり、相性や使用感の好みは人により異なるので、使ってみて効果が出なかったり副作用が強かったりした時は医師と相談し、症状を効果的に取り除く選択をしましょう。

 症状が強い場合は、粘膜の一部をレーザーで焼いて症状が起こらなくする手術もあります。ただし、これによりアレルギー体質が根治するわけではないので、いずれ元に戻ります。たび重なる手術は鼻の粘膜を痛めてしまうので、繰り返し行うのは注意が必要です。

 根治療法として、抗原となる花粉エキスを注射や舌下で体内に少量ずつ取り込み、アレルギーが起こらない体質に改善する免疫療法もあります。