20年歩んだ「正解の道」から抜け出す

――それまでの「正解を探す道」を抜け出し、45歳から「自分のやりたいこと」に方向転換できたのはなぜですか?

伊藤 刺激が強すぎたんですよね。アカデミアの参加者がとにかく楽しそうで。そんな人たちと出会ったことがなかったんですよ。

 起業家もそうですし、一番は孫正義さん。孫さん楽しそうだし「何だこりゃ」と、とにかく衝撃だったんです。

 僕も簡単には引きずられない方なんですけど、プレゼンの後みんなで飲み会に行くわけですよ。

「今日楽しかったなあ」とか言いながら、みんなが話してる中で、僕は入り込めないところがあって。

 正解しか求めていなかったから、僕は「いい子ちゃん」な感じでいて。「俺はこの人たちみたいに面白い考え方はできない」とコンプレックスになっていましたね。

平尾 私からすると羊一さんはすごく明るく見えていました。プレゼンも神がかったように上手くて。外から見ると楽しそうにプレゼンをされていましたよ。

伊藤 たしかに、みんな「別のやり方」に向かっているとき、「俺は優秀なやり方で、勝つぞ」というスタンスで、プレゼンそのものは誇りを持ってやっていました。

 ところが飲み会に行くと「みんなの方が羨ましいなあ。すごいな」って感じたんですよ。

 いきなり結論みたいになっちゃうかもしれませんが、あの頃の自分に言ってあげたいですね。

「飲み会の時の羨望もコンプレックスも本当に正しくて、その答えはこの本にあるよ」って。

 この『起業家の思考法』を読みながら、そう思いました。

「いい子ちゃん」コンプレックスは、正しい

〈第2回へ続く〉