食料品の値上げラッシュが続く中、コメが「日本の救世主」となり得る理由食品だけでなく、電気・ガス、石油、灯油等の値上がりも半端ではない。食費をできるだけ増やさないためには、物価の優等生であるコメ主体のメニューにするのが一番効果的だ(写真はイメージです) Photo:PIXTA

エネルギー危機、穀物高騰、ロシアのウクライナ侵攻というトリプルショックに見舞われている日本。各種食品の異常な値上げが続く中で、今や物価の優等生といえるのが米(コメ)である。日本人の主食であるコメが、ここに来て人気急上昇中だ。コメは、物価高騰の日本の救いの神になるかもしれない。(消費者問題研究所代表 垣田達哉)

08年より深刻な状況で
さらなる物価高騰の恐れも

 4月から、輸入小麦がまたまた値上げされる。輸入小麦は、すべて政府が一括して仕入れ、マークアップ(政府管理経費および国内産小麦生産振興対策に充当)を加算して民間の製粉会社やしょうゆメーカー等に卸す仕組みになっている。

 政府の売り渡し価格は半年ごとに増減するため、製粉会社も半年ごとに自社製品(家庭用と業務用)の販売価格を改定することになる。売り渡し価格の増減が少ないときは改定しないこともあるが、ほとんどの場合改定されている。

 3月9日、2022年上期(4月~9月)の政府(農林水産省)売り渡し価格が発表された。前期(21年下期10月~22年3月)に比べ17.3%値上げされ、1トン当たり7万2530円、1㎏当たり約72.5円になる。この価格は、08年上期以来、過去2番目に高い売り渡し価格である。