ガソリン高騰、EV志向高まる米消費者Photo:Justin Sullivan/gettyimages

 全米でガソリン価格が過去最高を更新し、原油価格が1バレル=100ドルを突破していることを受け、電気自動車(EV)などのクリーンエネルギー技術に対する消費者の関心はますます高まっている。

 全米自動車協会(AAA)によると、3月11日の米ガソリン平均価格は過去最高の1ガロン(約4リットル)当たり4.33ドルと、1年前よりも約1.35ドル値上がりしている。米資産運用会社ノーザン・トラストによれば、ガソリン価格が1ドル上昇するごとに、家計の月々の出費は50ドル超増加するという。

 米国の自動車販売のほとんどを占めているのはガソリン車だが、こうした状況から、ガソリン車以外に目を移す消費者が増えている。3月13日までの1週間では、米自動車情報サイトのエドマンズ・ドットコムの買い物客の4分の1がハイブリッド車、プラグインハイブリッド車(PHV)、EVの購入を検討していた。これは前週から39%増、2月同週からは84%の大幅増だ。

 米消費者調査会社ピプルセイ(Piplsay)が先週公表した調査では、米国人の3分の2以上が燃料価格の高騰に神経をとがらせていると答え、49%がガソリン車のランニングコストは負担しきれないと回答した。半数近くの人は、EVがガソリンエンジン車の代わりになり得ると答えている。

 エドマンズによれば、EVの購入を検討している消費者が最も重視している要素は「ガソリン価格」であり、次が「環境」だ。EVの購入を考えていない人は、EVの価格の高さや充電インフラが限られていること、航続距離を懸念しているという。EVは供給不足で、納車まで1~2年待たされる場合もある。