ミネソタ大学のキャサリン・ボーズは、アナグラムという作業をやらせたあと、難しい課題をあたえる、という実験をしています。アナグラムというのは、バラバラのアルファベットを与えて、それを並べ替えて正しい単語を作らせるという作業です。

 あるグループでは、この課題が、お金に関係するものになっていました。たとえば、次のような感じです。

E N O M Y   → 「MONEY」
S Y R L A A → 「SALARY」

 他のグループでは、まったくお金に関係のない中立的な単語を作らせました。

 この作業が終わったところで、ボーズは次に難しい課題を与えてどれくらい頑張るかを測定してみたのです。

 参加者はいつでもギブアップしてよかったのですが、ギブアップせずにどれだけ頑張るかを調べてみたのですね。すると、下のような結果になりました。

 お金について考えさせると、なかなかギブアップせずに粘り強く頑張るようになることがわかりますね。お金について考えると、だれでもモチベーションが上がるのです。

 日によっては、「どうも今日はやる気が出ない」というときがあると思うのですが、そんなときは、お金持ちになったところをイメージして、ニヤニヤしながら仕事をするといいですよ。そうすれば、やる気のほうも自然と出てきますからね。

モーツァルトも、ベートーベンも、バッハも…
質の高さを生み出すために、じつは重要だった原理

 企画を考えるとき「とにかく数出せ!なんでもいいからアイデアをだしまくれ!」なんて言われた経験のある方も少なくないのではないでしょうか。

 企画を出す方としては「オリジナリティのある良い企画書を出したい」と思いつつも「大変だ…なんでこんなにノルマがあるのだろう…」なんて思ってしまうこともありますよね。

 ちなみにオリジナリティですとか、クリエイティビティという用語は、「質の高さ」とほとんど同じ意味で使われますが、最初から質の高い商品や作品を期待してはいけません。