丸井レッドカード#7 Photo:Diamond,whyframestudio/gettyimages

クレジットカード業界の勝ち組と評される楽天カードとエポスカードが、キャッシュレス化も追い風に急成長を続けている。両者の躍進は、JCBや銀行系大手が中心だった業界構造に風穴をあけた。特集『丸井 レッドカード』(全8回)の最終回では、楽天とエポスが“下克上”を果たせた理由とともに、2強が推し進める競合の「淘汰戦略」に迫った。(ダイヤモンド編集部 山本興陽)

「成金の楽天」と「異端児のエポス」
楽天の取扱高は5年で約3倍に

「クレジットカード業界は、楽天カードの独壇場だ。そこに、エポスカードが独自の縄張りを築いている」――。

 銀行系大手クレジットカード会社関係者は、足元の業界の勢力図をこう表現する。

 クレジットカード業界は、キャッシュレス化の進展で追い風が吹いている。日本クレジット協会によると、2020年のクレジットカードの市場規模は74兆4576億円で、5年前と比べて約1.5倍拡大した。

 成長が続く市場で、業界関係者が勝ち組として挙げるのが、楽天グループの楽天カードと、丸井グループ(G)のエポスカードだ。下の図は、15年度の取扱高を100とした際の各社の取扱高の推移を表したものだ。

 取扱高は15年度比で楽天が2.8倍、エポスが1.8倍となり、業界平均の1.5倍を上回る成長を見せている。主な競合のうち、三井住友カードは18年にセディナを吸収した影響で1.8倍と追随しているものの、JCBや三菱UFJニコスは共に1.3倍前後と業界平均を下回る成長速度にとどまっている。

 長らく、JCBや銀行系カードがメインプレーヤーとして君臨していたカード業界。歴史が浅い“新興勢力”の楽天とエポスは、なぜ業界内で勝ち組に上り詰めることができたのか。次ページ以降では、両者が下克上を果たした理由とともに、その築き上げた経済圏の巨大さを具体的な数字で示す。勝ち組が仕掛けるさらなる序列破壊の戦略も明らかにする。