小売業でありながら、利益の大半をクレジットカード事業がたたき出す丸井グループ(G)。そのビジネスモデルだけではなく、社員の給与や出世事情もかなり特異だ。実は、丸井G社員のおおよその給与や等級は、社員が身に着ける名札で一目瞭然なのだ。特集『丸井 レッドカード』(全13回)の#5では、ダイヤモンド編集部が入手した丸井Gの賃金テーブルを全公開するとともに、「50代で月給20万円台」もあり得る苛烈な社内序列を詳説する。(ダイヤモンド編集部 山本興陽)
社員の名札で年収が判明
「50代で月給20万円台」も
「50代で月給20万円台の社員もいます」。ある丸井グループ(G)関係者は、こう打ち明ける。
1931年に創業し、約90年もの歴史を持つ丸井G。しかし、社員に対する待遇については、いわゆる「老舗」企業とは異なり、年功序列という概念からは大きく懸け離れている。
前出の関係者によると、丸井Gの社員は六つの等級(グレード)に分かれているという。各グレードに応じた賃金テーブルに基づいて月給やボーナスが自動的に決まるのだ。
実は社員は、あるものを見るだけで、このグレードが一目で分かってしまう。それは「社員の名札」だ。
「名札でグレードが分かるので、おおよその給与額も分かってしまう」(同関係者)。名札だけでお互いが幾ら給与をもらっているかまで分かってしまう、残酷ともいえる仕組みだ。
では、丸井G社員のグレードや給与はどのように決まるのか。次ページ以降では、ダイヤモンド編集部が入手した丸井Gの年収テーブルを全公開する。社内序列を表す社員の名札の仕組みや、年功序列とは懸け離れた昇進や出世の実態についても明らかにしていく。