民間の保険がいらない理由

 結論! 日本国民なら原則みんな入っている「社会保険」が、ほぼカバーしてくれるからです。

 前に挙げた3つの保険は、いずれも「社会保険」だけではカバーしきれないリスクに対応しています。

マモル:社会保険! 毎月給料から4万円くらい天引きされている、あの憎いヤツ!

サラタメ:そうです! なかなかバカにならない額を持っていくだけあって、病気・ケガ・死亡・失業・介護など、かなり手厚くサポートしてくれるんですよ!

〈社会保険の手厚いサポート例〉
・病院に行っても、個人負担は3割だけ
・病気やケガで休んでも、月収の約3分の2が最大1年6ヵ月もらえる
・高額治療を受けても、大半は健康保険から払い戻される
・育休中も、最初の半年は月収の約7割、その後半年は約5割もらえる

 このように国の社会保険には手厚いサポートがあるので、プラスαの準備は貯金で十分。

 民間の保険は、あくまでビジネスでやっているもの。人件費・広告費・手数料・会社の利益など、多くのムダが含まれていることを認識しましょう。

大損する前に知っておきたいサラリーマンが「入るべき保険」と「逃げるべき保険」

不要だけど入ってしまいがちな保険!
万一のための「がん保険」

社会保険の「高額療養費制度」があるので、不要です。
 高額療養費制度により、負担額はかなり抑えられます。

 たとえば年収500万円の人なら、100万円の医療費がかかった場合でも、約9万円のみの負担。ですから、ある程度貯金しておけば問題ありません。

「先進医療」は適用外ですが、先進医療を受けるのは全国民の約0.02%。また適用外ということは、「評価療養(まだ国として評価している段階の治療法)」ということなので、治る確率が高い高度な治療とは限りません※。
※出所:ダイヤモンド・オンライン「『先進医療は300万円もかかる』は本当? 医療保険商品『先進医療特約』の濡れ手で粟」(2014年9月11日)

老後のために
「養老保険」「外貨建て保険」「貯蓄型生命保険」

投資と保険はしっかり分けるべきなので、不要です。
 この手の保険は、投資機能も含まれ、満期になったら少しお金を増やして戻してくれます。なんだかいい話のようですが、どの会社も、投資の運用効率が悪いです。

 投資をしたいなら、積立投資(P574)を自分でやったほうがよっぽど得。保険会社に任せて、みすみす手数料を取られる必要はありません。

子どものために「学資保険」

ほぼ意味がないので、不要です。
 別に大きな損はしません。ただ、10~20年という長期間、途中解約できず、解約すると元本割れになる。そんなに長期間の縛りが続くわりに、お金は2~5%ほどしか増えません。いつでも使える貯金、もしくは、もっと増やしたいなら積立投資をしたほうが得です。

(本原稿は、サラタメ著『真の「安定」を手に入れる シン・サラリーマン』からの抜粋です)

〈まとめ〉
・保険は高い買い物。むやみに入らない
・サラリーマンが入るべき保険は3つだけ
 1.扶養家族がいる→掛け捨ての生命保険
 2.マイホームがある→火災保険
 3.マイカーがある→自動車保険(対人・対物無制限)
・「がん保険」「養老保険」「外貨建て保険」「貯蓄型生命保険」「学資保険」は不要