保険を見直す時は、「保障と貯蓄は切り離す」ことを意識

 もし、生命保険に貯蓄を期待するのなら、保障と切り離して他の手段で貯めるのが、効率の良い貯め方です。保険は投資と異なり、「貯蓄」「保障」という二つの面があります。両方が欲しいのなら保険もいいのですが、貯蓄しか目的としていないのに、保険を利用した方が賢明という考え方をしている方が多いように見受けられるのです。

 貯蓄目的の保険は保険料が割高になりやすいですし、満期になるまでの期間にはインフレリスクがあり、外貨建てなら為替リスクもあります。満期までに増える割合があまり期待できない場合も多いですから、それならば貯蓄は貯蓄で切り離し、その時に合った方法で貯めていくほうがよいだろうと思います。今なら、リスクを分散しながら投資を積み立て、長期的に低コストな投資を継続していくほうが、効率の良い資産形成を期待できます。

 そもそもの役割である「保障」には、健康保険や年金保険などの公的な保障もありますから、それでは足りない部分だけ、生命保険にゆだねるとよいでしょう。

 生命保険料が家計を圧迫しているというご家庭は、実は結構多いのです。保険で貯めていたものを、ある時に気が付いて方向転換するというのは、労力もいりますし、解約時に出る損を、今後の運用等で穴埋めできるだろうという、ある程度の確信がないと難しいもの。ですから、保険の見直しをする方には、「保障と貯蓄は切り離す」ことを意識していただきたいと思っています。そうやってお金を貯め、投資などで資産形成をすることを考えないと、老後の備えはなかなかできません。気になった方は、今一度、加入している保険の見直しをしてみてください。