「このまま」今の仕事を続けても大丈夫なのか? あるいは「副業」をしたほうがいいのか? それとも「起業」か、「転職」をすべきなのか? このように感じたとしたら、それは皆さんの考えが正しい。なぜなら、今感じているお金に対する不安は、現実のものとして近づいているからです。無収入となる65歳から70歳、もしくは75歳までの空白期間を、自己責任で穴埋めしなければならなくなる未来が、相次ぐ法改正でほぼ確定しました。
そんな人生最大の危機がいずれ訪れますが、解決策が1つだけあります。それはいますぐ、「稼ぎ口」を2つにすること。稼ぎ口を2つにすれば、年収が増えて、節税もでき、お金が貯まるからです。新刊『40代からは「稼ぎ口」を2つにしなさい 年収アップと自由が手に入る働き方』では、余すことなく珠玉のメソッドを公開しています。受講者は6000人に及び、その9割が成功。さぁ、新しい働き方を手に入れましょう!

【年金問題】老後の無給期間をどう生きる?Photo: Adobe Stock

70年代生まれは70歳頃、
80年代生まれは75歳頃まで年金をもらえない

 なぜ稼ぎ口を2つにすべきか? 大きな問題点の1つとして、「年金」があります。

 1961年4月2日生まれ以降の人は、すでに年金受給開始年齢が65歳以上に引き上げられています(本書では男性の年齢で例示)。それで年金収支のバランスが取れればよかったのですが、残念ながら財源が足りません。そこで2021年施行の改正高年齢者雇用安定法(本書では「70歳就業法」で表記)と2022年施行の年金制度改正法(本書では「年金75歳受取可能法」で表記)を施行して、年金受給開始を75歳まで引き上げる伏線を敷いたのです。

 これまでの受給開始年齢引き上げペースを維持する場合には、1963年4月2日生まれ以降の男性の受給開始年齢が、2028年に66歳に引き上げられて、翌2029年から受給開始となるシナリオが最も順当です。

 一方で、引き上げ決定から実際の引き上げ開始までのバッファーとして、これまでは7~18年の準備期間が用意されてきました。

 そして、2022年2月時点ではまだ引き上げが決定されていません。したがって、前例を踏襲する場合には、66歳への引き上げは2028年には実施されないことになります。その場合、次の引き上げのタイミングは2030年となり、対象となる1965年4月2日以降生まれの男性は、66歳となる2031年以降に受給開始となります。

 第3シナリオでは、75歳までの段階的な引き上げを開始する前に、70歳で小休止が入ります。過去の前例を見る限り、年齢引き上げの区切りは5歳単位なので、小休止を置いて、2047年以降に引き上げが再開されるパターンが十分に考えられます。

 以上、第1シナリオから第3シナリオまで、3つのパターンを紹介させていただきました。あくまでも前例をもとに推測したシナリオですが、すべてのシナリオに共通して言えることがあります。それは、1970年代生まれは70歳前後(±2歳)まで年金を受け取れないということ。そして、1980年生まれ以降は75歳前後(±2歳)まで年金を受け取れないということです。

 日本も戦後しばらくは、年金受給開始年齢が寿命の10年前だったので、年金収支のバランスが取れていました。ところが寿命が急速に延びた結果、年金が支払われる期間が2倍の20年に延びてしまった。日本人の平均寿命は84歳ですから、本来ならその10年前の74歳まで引き上げないと、年金収支は維持できません。

 しかも少子高齢化に伴って、年金原資を供給する現役世代が急速に減るので、もっと引き上げなければなりません。寿命との追いかけっこが、いたちごっこのように未来永劫に続くのです。

 ちなみに、前倒しをすれば60歳から受け取ることもできますが、死ぬまでずっと、利息(約30%)を取られ続けるのと同じなので、さすがにこれは論外です。

*本記事は、『40代からは「稼ぎ口」を2つにしなさい 年収アップと自由が手に入る働き方』から一部抜粋し、再編集したものです。