替えのきく仕事ばかりしてはいけない

佐久間:僕は、入社して数年の、「新人」と呼ばれる時期を過ぎたビジネスパーソンは、主に2つの人材に分かれていくと思っています。

①取り替えのきく人材のままでいる人
②特定のジャンル・強みが明確で、キャラが確立されている人材になる人

たとえば、「ドラクエ」のようなRPGでは、勇者、魔法使い、僧侶と、パーティ内での役割がそれぞれ決まっていますよね。それぞれできることもバラバラです。現実の仕事もそれと同じで、仕事で活躍するには、自分のキャラクターやスキルをできるだけ客観的に、正しくメンバーに理解してもらう必要があります。

力を出せない人は、「自分には能力が足りないんだ」と悩みがちですが、実はそうじゃない。「自分が勇者なのか僧侶なのかわかっていない人」なんです。自分自身がよくわかっていなかったら、周囲の人間だって、その人にどんな仕事を任せればいいのか、わからない。だから取り替えのきく仕事ばかりふることになるんです。

──たしかに、言われてみれば……。

佐久間:入社した当初は、もちろん「取り替えのきく仕事」をこなせるようにまずはがんばる、でいいんですよ。でも、ある程度のキャリアを積んだビジネスパーソンがいつまでもそんな仕事の仕方を続けていると、ずっと微妙な評価がつきまとい続けてしまいます。「使い勝手はいいけど、突き抜けた長所がない人」と思われちゃダメなんですよ。

だから「取り替えのきく人材」は、経験を積んだら「キャラ(役割)が確立される人」に変わること。そして、そのキャラは周囲にしっかり伝える努力をする。これが必要だと思います。