自己抑制が強い人

 自己抑制が強い人というのは、子供が親の顔色をうかがうように、常に自分の気持ちを抑えて、相手の期待に応えようとする傾向があります。

 その結果、嫌なことも嫌といえず、強いストレスを抱え込みがちです。

 しかし、人に考え方や行動を合わせられるので、上にいわれたことを素直に、確実に完遂するといういい特徴もあります。

 ただし、このタイプの人は、ある日突然、自分の中に蓄積していたフラストレーションを爆発させ、周囲の人を驚かすことがあります。

 いつも懸命に人に合わせようとするので、自分の気持ちを抑圧することが多く、常に心の中に不満を抱えている可能性が高いのです。

 このタイプの部下には、少しずつ気持ちを発散させてあげることが大事。何気ない話を聞いてあげるだけでガス抜きすることができます。部下は「自分のために時間を割いてくれた。自分にも配慮してくれているんだな」と知るだけでも、感情をコントロールすることができるのです。

「大丈夫か?」「問題はないか?」「何かあったか?」と、何気ない一言を意識的にかけてあげるよう心がけましょう。

 ただし、これら5つの傾向は、誰もがすべての要素をある程度持っていて、完全なものではありません。ケースによって、強く出てくる要素が変わってくることもあります。人の性格というのは複雑なものです。

 しかし、先にも述べたように、細分化しすぎてしまうのはあまり現実的ではないので、まずはシンプルに、この5つのタイプのうち、基本的に相手がどのタイプなのかを観察してみてください。あとはケースバイケースでアプローチを変えることで、驚くほど人を動かす力が磨かれます。