本田健 絶賛「すべての幸せがこの1冊に詰まっている!」
『92歳 総務課長の教え』の著者で、大阪の商社に勤務する92歳の玉置泰子さん。「世界最高齢の総務部員」として、ギネス世界記録に認定された現役総務課長だ。1956(昭和31)年の入社から総務一筋、勤続66年。「私に定年はない。働けるかぎりは、いつまでも頑張る!」と生涯現役を誓う“世界一の先輩”が、長く幸せに働く63の秘訣を手とり足とり教えてくれる。

【92歳の現役課長が教える】<br />何歳になっても忘れてはならないこと鳴田小夜子(KOGUMA OFFICE)

何歳になっても学ぶ姿勢を忘れない

【前回】からの続き

私の会社は研修会社と契約して、若手をはじめとした社員のスキルアップや自己啓発をサポートしてくれています。

研修会社によって研修カリキュラムが毎年更新されて、それが全部署・全社員に示されます。そこから好きなカリキュラムを選べる仕組みになっており、研修費は会社が全額補助してくれます。

会社の研修で大切なのは、会社からのお仕着せでなく、社員が自ら選んで学ぶことだと思います。私の会社では、上司から「この研修を受けなさい」と指示されるのではなく、あくまで自主的に選んで研修を受けることになっています。

人は、他人から強制されると、やる気が出ないものです。近ごろは強制参加の部署の飲み会を敬遠する若手社員が増えているといいますが、強制参加の研修をイヤイヤ受けても、その内容は身につきにくいでしょう。それは研修費を出してくれている会社に損害を与えることにもなりかねません。

自分が選んでやることにはモチベーションが高まり、続けやすいですから、学習効果も得やすいのです。

若手社員は、コミュニケーションスキルの習得や目標の立て方といった研修を選ぶ人が多いようです。何を選んだらいいのか迷う新人には、「こういうスキルを身につけるといいかもしれないよ」と、上司がいくつかの選択肢を示し、そこから選択してもらうこともあります。

一方、キャリアを積んだ社員は、マネジメントやリーダーシップに関するカリキュラムを率先して選ぶ人が増えています。

このありがたい制度のおかげで、年中誰かが研修を受けています。みんなが主体的に学び、向上心を忘れない姿勢があるからでしょう。会社には活気があり、成長を続ける原動力の一つとなっている実感があります。

私がこれまで選んだ研修カリキュラムには、「話し方教室」「管理者研修」などがあります。

現在の研修システムになる以前は、別の研修制度がありました。その時代、私は横井悌一郎という方が開発した「ライフマネジメントプログラム」という自己啓発プログラムに参加したことがあります。その研修には、生い立ちで感謝したいことを書き出すというワークがありました。

そこで私は、いまの自分が、いかに多くの人たちに支えられてきたかを再認識しました。それ以来、序章で触れたように、私は「感謝」を重視するようになったのです。

【次回へ続く】