本田健 絶賛「すべての幸せがこの1冊に詰まっている!」
『92歳 総務課長の教え』の著者で、大阪の商社に勤務する92歳の玉置泰子さん。「世界最高齢の総務部員」として、ギネス世界記録に認定された現役総務課長だ。1956(昭和31)年の入社から総務一筋、勤続66年。「私に定年はない。働けるかぎりは、いつまでも頑張る!」と生涯現役を誓う“世界一の先輩”が、長く幸せに働く63の秘訣を手とり足とり教えてくれる。

【92歳の現役課長が教える】仕事をするうえで「罪悪感」が不要なこと鳴田小夜子(KOGUMA OFFICE)

休んでリフレッシュするのも仕事のうち

【前回】からの続き

人の体調には波があります。「今日は体調が悪い。出勤しても思ったように仕事ができなそうだ」と感じたら、休暇届けを出す勇気も大切です。

私が若い頃は、会社を休むことに罪悪感を持つ人も多かったのですが、体調不良で休むことに罪悪感は不要です。有給休暇が残っており、期限までに使い切れないと思ったら、有給休暇をとるのもいいでしょう。

どちらにしても、しっかりと休んで、リフレッシュして、元気になってから出勤してバリバリ働けばいいのです。

正当な理由がないのに休むのは、単なるサボリなので論外ですが、体調不良なら、むしろ休むべきです。スポーツ選手は「休息もトレーニングのうち」とよくいいますが、このいい方を借りると「休んでリフレッシュするのも仕事のうち」なのです。

上司や同僚たちと「ほうれんそう」(報告・連絡・相談)をきちんと交わしていれば、休んだ分の穴埋めは、必ず手配してくれます。

昔の日本企業には「皆勤賞」という褒賞があり、無遅刻・無欠勤の社員を褒めたたえる仕組みがありました。しかし、体調不良にもかかわらず出勤することは、決して褒められたことではありません。

そのことはコロナ禍で、はっきりしました。発熱などの体調不良が感染症によるものだとしたら、出社することで感染症を広げ、会社に大きな損害を与える恐れさえあるのです。

私の会社にも皆勤賞はありました。それが撤廃されたとき、実は「やったぁ!」と拍手しました。私自身はほとんど会社を休んだことはありませんでしたが、皆勤にこだわるのはおかしいのではないかと、以前からひそかに思っていたからです。

体調が悪いのに会社に這って出てきても、仕事の生産性がさっぱり上がらないくらいなら、休んで元気をとり戻してから働いてくれたほうが、会社にとっても職場の同僚にとってもありがたいはずです。

ただし、体調不良の背景に、パワハラやセクハラのようなハラスメントが潜んでいたり、過労などによるうつ病などがあったりする場合、話はまったく別です。

こうした不調は、一日や二日休んだところで解決するものではありません。

2020年6月1日から「改正 労働施策総合推進法」が施行されて、大企業では相談窓口の設置が義務化されました。2022年4月1日からは、中小企業でも同様に義務化されました。

ハラスメントやメンタルヘルスの相談窓口が用意されている会社もありますから、早めに相談したほうがいいでしょう。

【次回へ続く】