苦手なことはチームで解決する

土屋:顧客の獲得については検索連動型広告ではなくSNSを主体にしています。

僕は前職でリスティングをしながら自社の顧客獲得をやっていたんですけれど、月に300万円ぐらいかけてSEOを回した結果、「広告から来るお客は基本的に価格しか見ていない」と分かりました。

そこで戦うのではなく「自社が何ができるか、どういう考え方をしているのか」を世の中に発信し、お客さんに来てもらうようにしています。

あとは、天才デザイナーを集めて属人性に頼るデザイン事務所ではなく、組織の属人性を下げることも大切にしています。

平尾:美大や芸大出身者を選んで採用していないのも別解ですよね。

土屋:従来のデザイナーの価値はディティールを詰めていくことです。一方でクライアントとのコミュニケーションや課題の整理という場面では違う脳みその使い方が求められます。同じ人が両方やることはできないんです。グッドパッチでは、ディテールを詰めるデザイナーと、コミュニケーションができる人材を組ませてチームにしています。1人で受け持つことは絶対になく、チームでしかアサインしません。

平尾:チーム化することで解決してるんですね。

土屋:はい。コミュニケーションをとる側の人材はデザイン経験者である必要はありません。ただ、ロジカルだけの人間ではなくて、共感力は必要です。共感力があればクライアントとのビジネスサイドのやり取りを吸収できて、デザイナー側へ接続できるので。だからデザイナーと名乗ってない人たちを採用しているんです。

平尾:土屋さんは、もうミスター別解力ですね(笑)。