選択基準⑥「ターゲットイヤーファンド」は外す

 つみたてNISAの対象ファンドには、指定インデックス投資信託のなかに何本か、「ターゲットイヤーファンド」と呼ばれるタイプが含まれています。利用者の年齢に応じて、徐々にリスク資産の比率を下げてくれる、ある意味では便利な商品性を持った投資信託です。

 ファンド名の最後に「2030」「2040」「2050」というように西暦が付されているケースが多いので、それで判断しましょう。

 一般的に投資をする原則として、年齢が上がるほどリスク性資産の比率を低めにした運用が望ましいと言われています。

 20代の頃は、たとえば株式の投資比率を70%以上で運用することも許容できますが、60代、70代になって、そのようなハイリスク型のポートフォリオを持っていると、株価の暴落で運用資産が大きく目減りした時、それをカバーするのが極めて困難な状況に陥ってしまいます。

 なぜなら、すでに定年後だとすると、損失をリカバリーするだけの収入を得るのが難しいからです。

 したがって、一般的には年齢が上がっていくに従って、徐々にリスク性資産への投資比率を下げていくのがセオリーと言われています。

 ターゲットイヤーファンドは、このリスク性資産への投資配分を、保有者の年齢に応じて自動的に調整してくれるファンドです。

中野晴啓(なかの・はるひろ)
セゾン投信代表取締役会長CEO
一般社団法人投資信託協会副会長、公益財団法人セゾン文化財団理事
1987年明治大学商学部卒業、クレディセゾン入社。2006年セゾン投信を設立。2020年6月より現職。
つみたてで、コツコツと資産をふやす長期投資を提言、国際分散型投資信託2本を15年以上運用し、
個人の長期資産形成を支えている。客観的な定量評価を行う複数のファンドアワードで連続受賞。
口座開設数16万人、預かり資産4700億円を突破。
主な著書に『最新版 投資信託はこの9本から選びなさい』『投資信託はこうして買いなさい』他多数。