熊本県のサッカー強豪校でコーチが生徒を暴行する動画がネット上に拡散された。その後、SNS上では関連するさまざまな情報が相次いで報告され、大騒動となっている。(フリーライター 鎌田和歌)
動画拡散から1週間で怒涛の展開
机に向かって棒立ちになった生徒を、男性コーチが勢いをつけて何度も蹴り上げる。周囲の生徒からは「やばくね」という声が漏れる――スマートフォンで撮影されたと思われる6秒ほどの動画が4月20日にインターネット上に投稿され、一気に拡散された。
熊本県のサッカー強豪校である秀岳館高校の寮で撮影された動画だとわかり、その後、コーチが暴行の疑いで書類送検された。学校内での体罰やいじめはなかなか表に出ることが少ない。しかし、今回スムーズに警察の捜査につながったのは、動画が拡散し、収拾がつかなくなったからに他ならない。
また、この事件に関しては関連するさまざまな情報がネット上で飛び交い、連日のように新たな「ネタ」が投稿された。誰もがスマートフォンを持っている現代の世相を反映させた事件であることも感じさせる。SNS世代である生徒たちと、そうでない世代(今回の場合、学校や教師サイド)の間で、どんな壁があり、何が起きているのか考察する。
まずは最初の動画拡散から約1週間で起こったことを時系列に紹介しよう。