【ケース2】
人材企業のIT担当から
大手クラウドサービス企業のエンジニアへ
Cさん(30代) は人材系ベンチャー企業でITを担当していた方。出向先企業ではAI(人工知能)プロダクトにも携わっていたことから、AIの知見を深めるため、AI開発企業の社会人インターンシップに参加しました。
このプログラムでの経験を機に、「運用」領域に興味を持ち、可能性を感じたCさん。それまで目指していた「データサイエンティスト」から方向転換し、運用インフラで今後主流となるクラウド分野でキャリアを築こうと考えるようになりました。結果、クラウドサービスの有力企業に転職を果たしました。
以上、「お試し機会」での気付きが越境転職につながった3人の方の事例をご紹介しました。
一方、企業側も「新たな視点を取り入れたい」「自社で活躍できるポテンシャルを持つ人材に出会いたい」という思いを持って、社会人インターンシップを活用しています。『サンカク』の利用企業は、この6年で8倍に増えています。
人材派遣の領域で増える
「リスキリング」でのキャリアチェンジ
「ディグるキャリア」において、私たちが注目している動向の1つが「リスキリング」です。リスキリングとは、「学び直し」「新たなスキルの習得」を意味します。
社会構造の質的な変容が起きる中、新サービスへ参入する企業やデジタルトランスフォーメーション(DX)の広がりにより、エンジニアの人材確保に苦戦する企業が増えています。そこでは即戦力となるスキルを持つ人材だけを求めるのではなく、未経験や浅い経験を持つ人材を迎え、リスキリングによって専門人材への育成を図る動きがあります。
リスキリングを前提に、業務特性にマッチするポータブルスキル(業種・職種問わず持ち運べるスキル)や志向性をディグり、それを持つ人材を受け入れているのです。
入社後のリスキリングを前提とした採用は、人材派遣の領域で増加しています。たとえば、リクルートグループのスタッフサービス・エンジニアリング(以下、SSE)。派遣スタッフを自社の社員として常時雇用し派遣する「常用型派遣」を中心に全国展開する同社では、派遣スタッフのリスキリングを支援し、就業先企業と一体となって派遣スタッフの育成を行っています。