高額なゲーム参加初期費用
どこまで腹をくくれるか

 Googleアカウントに登録したスマホを持ち歩いていると、月に一回、Google Maps Timelineから「今月のあなた」といった趣向のお知らせが届く。スマホが勝手に記録した筆者の位置情報から、何かしらのデータをピックアップして通知してくれるのである。
 
 これによると、4月、筆者の車の移動距離は849キロ、徒歩の移動距離は2キロであった。
 
 この極端な数字を面白がっていると、ちょうど数年ぶりに受けた健康診断の結果が届いた。「運動不足で血が濁って汚い」とのことで、何かしらの努力を見せておかないと妻に怒られそうな雲行きになってきた。
 
 その折に「STEPN」を知り、これをうまく活用すれば運動不足解消と小遣い稼ぎができるのではないかと思い至ったわけである。
 
「STEPN」は、日本ではあまり盛んではないが、最近はやり始めているNFTゲーム(ごく大まかにいうと、実際にお金が稼げるゲームのこと)の一種である。このゲーム内で、スニーカーを買い、これをゲーム内で装備して歩くとGSTという仮想通貨がたまり、スニーカーの性能が上がってさらにGSTを稼ぎやすくなる。これらのスニーカーは、RPGにおける武器装備のようなものである。
 
 このスニーカーは山ほど種類があり、性能によって金額が異なるのだが、その幅があまりにも広い。レアリティー(ゲーム内でのレア度)が設定されていて、一番安価なレベルでも6万円以上、その上のレベルが約30万円以上、さらに上がると230万円、その上のランクも二つあるらしいが、価格不明とのことである。
  
 上に挙げた金額は、その実態を示すものではなく、あくまで感覚的につかんでもらうためのざっくばらんな指標であることをご承知おき願いたい。

 購入はSOLという仮想通貨によって行われ、このSOLも激しく値動きしているため(※5月12日時点では、この1週間で1SOLあたり約1万2000円から約6000円まで下がっている)、「STEPN用スニーカーの購入目安金額」など、あってないようなものである。
 
 ただ、ほんの1週間ほど前まで最低初期費用(一番安いNFTスニーカー購入費用)が約10万~15万円と言われていたから、SOLが値崩れしている今は、新規参入したい人にとってはハードルが下がっている……のかもしれないし、今後さらに値崩れしていくかもしれない下り坂の波に乗りたくない心理もあろうから、むしろハードルが上がっているのかもしれない。