数学の教師も「予材管理」をしている!?

横山 出版編集の方にはいろいろな反響があるようです。部下の編集者に『部下本』を渡したら、「これ違うと思います」って言われて、ショックだったとか(笑)。「これは営業の本なんで編集の仕事では使えないと思います」とか言われたらしいです。「いやいや、絶対一緒だと思う」と言われたそうですが、その部下の方とは折り合えなかったと。一方で、編集こそ現場にどれだけ行くかだとか、企画は足で稼ぐものだとか、そう言ってくださる方もいました。あと一番驚いたのが、以前講演後に一緒に食事に行ったときに、隣に数学の教師(女性)が座られ、その方が「予材管理」やっていると!(笑)

寺田数学の教師が「予材管理」!?

横山 「どうやってるんですか?」と言っても、「やっぱり試験対策も『予材管理』だよね」という感じで言われ、くわしくは教えてくれなかったんですが。

寺田 「絶対達成シリーズ」2冊を編集してみて、この2冊は業種業態を越えて使える本だと実感しました。これは当社の編集部員も読後感で言っていました。実際、私自身もビジネスで試してみて、数字がかなり上がりました。「白地(しらじ)」という響きが好きで、「白地」とか「『予材』どうなってる?」がチームメンバーへのかけ声になってしまいました(笑)。「いま白地、つまり種をまいていますか?1年先を見越して今日をすごしてますか?」と。

横山 そうなってきますよね。

寺田 あと、『マインド本』のサブタイトル、「科学的に自信をつける4つのステップ」とありますが、ここは『部下本』とは違う切り口を出してきたなという読者もいそうです。これについては?

横山 私自身、自分を信用するから「自信」と言うんだ、と言ってきましたし、現場でも「ラポール(信頼関係)を構築」という表現をよく使っていました。自分とのラポールが構築できれば自信がつくと。ただ、そうすると、ついつい「自信を持て!」という話になってしまうので、すごく話が飛びすぎな感じがしたんです。「結果を出せ!」と言っているのと同じで、「結果を出す」のも「自信を持て」というのもキツイんですよね。きっとそういう人たちは、どうしたらいいかよくわからないのだと思います。私自身も経験があるので。

再現性のある「自信本」にしたかった

寺田 これまで「自信」がテーマの書籍をたくさん読んできたのですが、「それは著者だけができることであって私にはできない」という再現性に乏しい本が多かった気がします。ですから、横山さんと『部下本』をつくったあと、次回作はロジカルかつエモーショナルな再現性のある「自信本」に挑戦したいと思っていました。取材時に「科学的に自信」というキーワードがポッと出てきたので、サイエンス的でいいなあ、と、とんとん拍子で進んでいった気がします。年末に、『フジサンケイビジネスアイ』の「トレンドウォッチ」というコーナーで『マインド本』の取材があったのですが、記者の方からの感想で「『マインド本』49ページの『科学的に自信をつける!思考の『あたりまえ化』4ステップ』の図がいい。これが50くらいあると無理だけど、4つと言われたら、30歳すぎの自分でもやれそうだと思った」と。

横山 そうですね。40、50テクニックあったらまず覚えられないですもんね。

寺田 この「4ステップ」では、「無意識的無能状態」をもう少しやさしい言葉に変換できないか、相当お聞きしましたね。それで一緒になってつくったのが、ステップ1「わからない状態」、ステップ2「わかっちゃいるけど状態」、ステップ3「がんばる状態」、ステップ4「あたりまえ状態」。けっこういろいろやりとりしましたね。

横山 そう。この表現はどうするかで相当もめました。