
関西の中学受験が沸騰している。直近の2025年入試では、少子化をものともせずに受験者数が増加し、受験率が過去最高を記録した。西の中学受験に一体何が起きているのか。特集『わが子がぐんぐん伸びる!中高一貫校&塾&小学校』の#2では、浜学園の松本茂学園長、日能研関西の森永直樹取締役、進学館√+(ルータス)統括、アップの吉田努執行役員という関西の中学受験を知り尽くす重鎮3人が初めて一堂に会し、26年入試の行方から、注目校、後悔しない志望校の選び方まで語り尽くした、鼎談の後編をお届けする。(ダイヤモンド編集部 宮原啓彰)
西日本の最難関校・灘中の25年入試
例年以上に算数の出来が合否を分けた
〉〉鼎談前編『関西中学受験塾の重鎮3人が初集結!灘・東大寺・洛南・大阪星光…下克上で「最難関9校」の序列再編が起きる!』
――関西の中学受験において、やはり灘中の話題は外せないと思いますが、灘の直近2025年入試をどう見ていますか?
森永直樹・日能研関西取締役 入試科目でいうと、特に25年入試は算数の点差が想像以上に大きく開いた印象です。想定外だったのは、受験者数自体はあまり変わらなかったのですが、関西の統一入試日が1月18日で千葉県の入試日と近かったため、首都圏からの受験組がもう少し減るかなと思っていたんですが、相当な人数が受験していましたね。

松本茂・浜学園学園長 より中長期的な視点から言うと、灘の受験者数が今後、急激に増えるとは考えにくいです。実質倍率で3倍が限界。ある意味、レベル感も含めて高止まりが続いていくイメージですね。

吉田努・アップ執行役員 25年入試もそうですが、灘はとにかく合格最低点の線引きが芸術的に上手。先ほど首都圏からの受験組のお話がありましたけど、ちゃんと兵庫県外からの入学者数まで全てきっちり読んでいるなという印象です。関西でも繰り上げ合格を出す学校はあります。2月末どころか3月に入っても出すところもある。子どもにとってみれば、これは本当に最悪です。

その点、灘はさすが関西トップの学校やなと思いますね。受験者数については、僕も730人ぐらいで推移していくというイメージで、安定した人気でこのままいくと思います。
次ページでは、学校改革で志願者数が倍増し、これまではあり得なかった下克上を果たした中堅校躍進の秘密や、人気上昇中の関関同立・産近甲龍付属の注目校、そして後悔しない学校選びまで、関西中学受験塾の重鎮3人が明かす。