「仕事がおもしろくない」「上司にうんざり」「もう会社を辞めたい!」
そんな思いが少しでもあるなら参考にしたいのが、92歳にして、現役総務課長としてバリバリ働いている玉置泰子さんの著書『92歳 総務課長の教え』だ。
ベストセラー作家・本田健氏も絶賛する泰子さんの教えは、新入社員からベテラン社員まで即役立つ、説得力あふれる教訓が満載。「世界最高齢の総務部員」として、ギネス世界記録に認定された泰子さんが、長く幸せに働く63の秘訣を手とり足とり教えてくれる。
※本稿は、『92歳 総務課長の教え』より一部を抜粋・編集したものです。
誰かの役に立ちたい気持ちを原動力にする
「その仕事、誰かの役に立っているか?」という気持ちで仕事を進める根底には、一種の「ボランティア精神」があると私は思っています。ボランティア活動は、個人が無償で行うものであって、会社でボランティア精神を発揮するのはおかしいと思われるかもしれません。
しかし、本来ボランティアとは、より公共性の高い活動に、自ら進んで参加することを指しています。日本では1995年の阪神・淡路大震災で数多くのボランティア活動が展開されたことから、注目を浴びました。
仕事には、多かれ少なかれ公共性がともないます。給料をもらっているとしても、ボランティア精神で「誰かのために役立ちたい」と仕事ができたら、大きな充実感と満足感がともなって、心が満たされるでしょう。人は自己中心的でありながら、ときとして心のどこかに「誰かの役に立ちたい」という利他的な志向を秘めているものです。
誰かの役に立つという充実感
私は幸いにも92歳になるいまも現役で仕事をさせてもらっており、日々誰かの役に立っているという充実感を持って働けています。それは毎日の頑張りを支える糧となっており、感謝しかありません。
私は2020年にギネス世界記録の認定を受けて以降、「高齢者を勇気づけるような話をしてください」と地域の集まりに呼ばれる機会が増えました。そのような機会に恵まれるたび、私はボランティア精神で活動をする大切さをお話しするようにしています。
高齢者世代には、退職して以降、「毎日に張りがない」とか「やることがなくて困る」とおっしゃる方もいるようです。高齢者でも足腰が丈夫なら、近所の公園の掃除や草むしりをするなど、誰かのために役立つ活動は身のまわりで探せるのではないでしょうか。自治体に問い合わせたら、何か紹介してくれるかもしれません。
マザー・テレサが残した
お金では買うことのできないこと
ノーベル平和賞を受賞したマザー・テレサは、「人にとって、もっとも悲しむべきことは、病気でも貧乏でもない。自分はこの世に不要な人間なのだと思い込むことだ」という言葉を残しています。さらに、こんな言葉も残しています。「神様は私たちに成功してほしいなんて思っていない。ただ、挑戦することを望んでいるだけ」
仕事でも仕事以外の活動でも、誰かの役に立ち、挑戦を続けることは、お金では買うことのできない充足感を人生にもたらしてくれると思うのです。
※本稿は、『92歳 総務課長の教え』より一部を抜粋・編集したものです。