「仕事がおもしろくない」「上司にうんざり」「もう会社を辞めたい!」
そんな思いが少しでもあるなら参考にしたいのが、92歳にして、現役総務課長としてバリバリ働いている玉置泰子さんの著書
『92歳 総務課長の教え』だ。
ベストセラー作家・本田健氏も絶賛する泰子さんの教えは、新入社員からベテラン社員まで即役立つ、説得力あふれる教訓が満載。「世界最高齢の総務部員」として、ギネス世界記録に認定された泰子さんが、長く幸せに働く63の秘訣を手とり足とり教えてくれる。

※本稿は、『92歳 総務課長の教え』より一部を抜粋・編集したものです。

【92歳の現役総務課長が教える】<br />いまだから会社・組織に役立つ<br />イエス・キリストの教えとは?鳴田小夜子(KOGUMA OFFICE)

環境の変化を楽しむ

「新しいぶどう酒は、古い革袋に入れてはいけない。そんなことをすれば、革袋が破れて酒が漏れるし、袋もだめになる。新しいぶどう酒は、新しい革袋に入れるものだ。そうすれば、袋もぶどう酒も長持ちする」と、イエス・キリストはおっしゃったそうです。この教えは、会社にも当てはまると思います。新しい発想や創造を活かすためには、それにふさわしい組織や場所が必要だということです。

変化のスピードが速く激しくなっている現代では、つねに新しい技術や創造力を発揮する会社が業界を引っ張っています。時代の要望に即した新しいことを創造できる会社は、若い社員が活躍できる舞台を用意していると思います。「新しいアイデアを出せ」と鼓舞するだけでなく、若い社員を活かす環境づくりが求められるのです。

そのためには、若い社員たちのアイデアを吸い上げる仕組みをつくる、あるいは有望な若手を昇格させて権限を委譲するといった試みが欠かせません。若い社員をサポートする上司の役割も見逃してはならないでしょう。

ブレないビジョンと大胆な試み

私の会社では、かつては訪問営業が主流でしたが、現在ではネット取引が約70%を占めるようになっています。そのため、ネット関連に毎年多額の投資をして強化してきました。ネット取引がメインになったことで、営業部が果たすべき役割も変わりました。かつてのように、「どんなねじが、どのくらいほしいか」というニーズを掘り出すことに加えて、お客様のビジネスを踏まえて、どのような商品が必要なのかを提案するコンサルティング営業が求められるようになってきました。

新しいことが重視されるといっても、変えてはならないものもあります。私の会社の場合、「その仕事、誰かの役に立っているか?」という気持ちで、お客様のために尽力するという創業以来のビジョンは、変えてはならないものですし、変えなくてもよいことです。

逆にいうなら、組織のビジョンさえブレなければ、新たな試みには大胆であるべきなのです。環境の変化にしなやかに対応できない会社・組織は、恐竜のように遅かれ早かれ滅びてしまうからです。

※本稿は、『92歳 総務課長の教え』より一部を抜粋・編集したものです。