決算書100本ノック2022夏#1Photo:PIXTA

ANAホールディングスと日本航空が大赤字なのに対し、日本郵船と商船三井は大黒字。コロナ禍における格差は今後、投資余力の格差につながっていく。特集『決算書100本ノック!2022夏』(全21回)の#1では、格差が連鎖する残酷な実態に迫る。(ダイヤモンド編集部副編集長 臼井真粧美)

「週刊ダイヤモンド」2022年6月25日号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。

ANAとJALは連続赤字
日本郵船と商船三井は最高益

 空運大手であるANAホールディングス(HD)と日本航空(JAL)の2022年3月期は、どちらも2期連続の最終赤字となった。対して海運大手である日本郵船と商船三井の純損益は、それぞれ過去最高益を更新した。

 新型コロナウイルスの感染拡大で旅客に逆風、貨物に追い風が吹き、4社は明暗を分けた。旅客中心のANAとJALは大赤字、貨物などを運ぶ物流中心の日本郵船と商船三井は大黒字となったのである。

 貨物輸送の運賃が高騰するという物流のバブルをどれだけ享受したか、そこでも4社の間に差が生まれた。

 次ページでは、「物流バブル享受ランキング」を明らかにする。1位はどこか。最下位はどこなのか。コロナ禍における格差によって、4社の今後の経営にどんな格差が出るのか――。