決算書100本ノック2022夏#9Photo:PIXTA

今期2022年度決算は「コロナ禍からの回復」と「原材料高による収益圧迫」が綱引きをする決算となる見通しだ。採算悪化の逆境をはね返し高水準の収益を上げる企業はどこか。特集『決算書100本ノック!2022夏』(全21回)の#9では、決算に基づく六つのランキングで今期の高業績企業をあぶり出す。(ダイヤモンド編集部編集委員 竹田孝洋)。

「週刊ダイヤモンド」2022年6月25日号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。

回復途上の企業業績に吹く
原材料価格高騰の向かい風

 2020年度、21年度と2期続けて、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言などで経済活動が停滞。多くの業界がダメージを受け、赤字を計上する企業が続出した。

 しかし、22年の春以降、感染収束には至らないものの、経済活動は正常化しつつあり、企業業績への追い風となっている。

 ところが、ほぼ同時に向かい風も吹き始めた。それはロシアのウクライナ侵攻である。急騰したエネルギー・資源価格や穀物価格の上昇は企業の原価を押し上げた。加えて、円安が急速に進んだことで材料高に拍車が掛かっている。

 原材料高による採算悪化をはね返し、しっかり収益を上げる企業はどこか。次ページでは、最新決算を基に「予想売上高」「ROE(自己資本利益率)」など六つの主要財務指標のランキングを明らかにするとともに、今期のトレンドを解説していく。