社員本人にとっての
副業5つのメリット

 副業を行う社員本人にとっての副業のメリットを整理しておこう。(1)副収入、(2)セカンドキャリアへの準備、(3)情報と経験の拡大、(4)人間関係の拡大、(5)会社からの精神的自立、などが挙げられる。

 何と言っても副業による追加的な収入は役に立つし、嬉しいものだ。また、副業の形で新しい仕事に関わっておくと、これをセカンドキャリア(例えば60歳以降の仕事)に接続することができる場合がある。

 また、副業に関わることで、会社の仕事だけでは得られない情報やスキルにつながる経験、有益な人間関係などが得られる場合がある。

 加えて、会社以外の収入源や人間関係などを得ることで、日本のサラリーマンがしばしば持ちがちな会社に対する依存に近い帰属意識を薄めることができる。会社から自立した個人が多数生まれることは、社会全体にとってもプラスだろう。少なくとも筆者は、そうした個人が増えた社会の方が面白いと思う。

仕事の需要と供給のミスマッチを
副業が埋める

 では、個人は何を副業にしたらいいのか。

 この点に関しては、もともとのインターネットの普及に加えて、オンラインで仕事を行うテレワークが発達したことの効果が大きい。実に多くの仕事がオンラインでできるし、勤務地や時間の制約を小さくして実行できる。

 例えば、システム開発や各種のコンサルティング、ライター、デザイナー、調査請負、学科や芸事の先生、家庭教師、動画の編集、などさまざまな仕事が可能だ。

 筆者が幾らか知っている仕事の一例として「ライター」の仕事を副業で行うことを具体的に考えてみよう。